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動労水戸損賠訴訟 JR水戸支社を追及 未払い賃金を直ちに払え

20150710c-1.JPG 7月3日、動労水戸の損害賠償請求訴訟の第17回口頭弁論が水戸地裁民事第一部(日下部克通裁判長)で開かれた。裁判には原告を始め動労水戸組合員と家族、支援など32人が駆けつけた。
 国鉄時代に運転士免許を取得していた動労水戸組合員13人は、JR東日本の不当労働行為により、不当にも運転士に登用されなかった。最高裁は2008年12月、これを不当労働行為と認定し、動労水戸は完全に勝利した。
 これにより動労水戸組合員13人は1997年6月時点で運転士に発令されたことになった。にもかかわらずJR東日本は、「運転士であったなら得られたであろう賃金」のうち、夜勤手当と超過勤務手当を支払っていない。このことと、動労水戸組合員への昇進差別を主な争点として、この裁判は闘われてきた。

 この日の裁判で動労水戸の代理人弁護団は、まず夜勤手当と超過勤務手当の未払い問題を徹底的に追及した。
 これまでの裁判でJR東日本は、「超勤・夜勤手当は運転士に例外なく支払われているわけではない」と主張してきた。だが、JR自身が今回出してきた書面では、1カ月の間に超勤がゼロだった運転士は年間「延べ13人」に過ぎないと認めている。水戸支社全体で運転士は約450人だから、12カ月で延べ5400人の運転士が勤務する。超勤・夜勤手当が支払われないケースは、そのうちわずか0・24%だ。常態的に支払われている手当は、当然、動労水戸組合員にも支払われなければならない。
 また、昇進試験についてJR側は、評価の「基準」らしきもの10項目を明らかにしてきた。
 JR東日本の昇進試験制度は、「一般常識」「業務知識」「作文」で1次試験が行われ、それに合格すると2次試験に進む。しかし「勤務成績」と「作文」は5段階で評価され、それが2以下の者は「一般常識」と「業務知識」の点数がいくら良くても合格できないことにされている。
 ここにJR東日本の昇進試験制度が不当労働行為の温床とされてきたカラクリがある。「勤務成績」や「作文」は、会社が恣意(しい)的に評価できるからだ。東労組組合員はほとんどが合格し、動労水戸や動労千葉や国労だけが合格しないのは、こういうシステムになっていたからだ。「一般常識」と「業務知識」は、点数も発表しないし、問題の解答も明らかにしない。まさにインチキ試験だ。
 JR東日本は書面で、勤務成績の評価の仕方について10項目を細分化する形で出してきたが、こんなものはただの作文だ。人事課や助役が現場の教育・訓練で使った資料やマニュアルを証拠として出さなければ、平等に評価しているかどうかなど分からないからだ。
 動労水戸は研修の資料やマニュアルを証拠として出すよう、要求した。
 この日の裁判は、次回期日を11月16日と決めて終了した。
 裁判後の総括集会で、松田生朗、山本志都、葉山岳夫の各弁護士が裁判の現段階について説明し、JRを確実に追い詰めていると全体で確認した。石井真一委員長は、「この裁判と出向差し止め裁判、そして外注化と常磐線全線開通に反対する現場の闘いが、動労水戸に結集した青年労働者を守り、不当労働行為をはね返す」と訴えた。
 動労水戸はJR常磐線全線開通絶対反対、被曝労働拒否を闘い、原発労働者や帰還強制の攻撃をかけられている福島の地域住民と団結して、JR体制を揺さぶっている。この闘いに続こう。(M)

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