植木団地裁判 人生の夢を奪うな 組合員が追い出しを弾劾
8月24日、大阪地裁大法廷で「植木団地追い出し絶対反対! 高槻市弾劾!」裁判と高槻市が「明け渡しを求める」裁判が同時に行われた(担当は第2民事部・西田隆裕裁判長)。
今回も多くの傍聴者がかけつける中、二つの大きな勝利を切り開いた。一つは、植木団地労働組合員の意見陳述をかちとったことだ。組合員や傍聴者の要求にもかかわらず西田裁判長が一貫して陳述を認めようとしなかったA組合員が、ついに意見陳述に立ったのだ。
A組合員は、「大勢の組合員が『高槻市と争っても勝てるはずがない』とあきらめたり、『裁判で負けたら膨大な賠償金をとられる』と脅されたりして、協同組合をやめていきました」と、高槻市の追い出し攻撃を弾劾した。そして「高槻市の突然の一方的通告だけで私の人生の夢を奪われることは絶対に納得できません。私はたとえどのような結果になるにせよ、これからの人生を胸を張って生きていくためにも最後まで筋を通そうと思って、協同組合に残りました」と述べ、植木団地労働組合の団結のもとに闘うことを明らかにした。傍聴者から盛んな拍手が湧き起こった。
もう一つは、高槻市当局が主張する「追い出しの根拠」を完全に崩壊に追い込んだことだ。
昨年3月、市当局は「植木団地が全国水平同盟や植木団地労働組合を組織しているから話し合いを打ち切り、裁判に訴える」とあけすけに語った。「明け渡しを求める」狙いが全国水平同盟高槻支部と植木団地労働組合の団結破壊であることを自己暴露している。
弁護団は、市が明け渡しの理由としている「跡地にゲリラ豪雨や大地震対策の防災拠点を建設する」必要性を示す根拠などを明らかにするよう求釈明を申し立てていた。しかし高槻市は、そもそも計画に必要なデータを始めなんの根拠も示せなかった。植木団地は芥川(あくたがわ)が氾濫(はんらん)した時には浸水する場所にあり、地震で液状化する危険性も指摘されている。こんなところに防災施設をつくる計画などありえない。防災拠点建設は、追い出しのために後からデッチあげた口実にすぎない。
裁判の終了後、全国金属機械港合同昌一支部の執行委員は「Aさんの夢を打ち砕く高槻市は絶対に許せない。みんなの力で高槻市をぶったたいていこう」と力強く語った。地元の高槻医療福祉労働組合の委員長は「経営派の立てた役員候補をぶっとばし、執行権力を守り抜いた」と報告し、「地元組合として植木団地労働組合とともに対市闘争を闘う」と決意を表明した。全国水平同盟杉並支部は、たとえ小さくとも拠点を持っていることの重要性、高槻市と対峙し団結して闘いを持続していることの意義を述べた。京大生は「京大当局による4学生への停学処分に反対する署名が1千筆を超えている」と報告し、翌日の京都市内デモへの参加を訴えた。
最後に全国水平同盟事務局が10・31狭山闘争と植木団地闘争2周年の闘争を呼びかけ、11月労働者集会への大結集を訴えた。(北摂労働組合交流センター 上園耕作)
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