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韓国 「サード阻止」全国に 50カ所でキャンドル集会

20160901c-1.jpg 韓国では、米の高高度迎撃ミサイルTHAAD(サード)配備に反対する闘争が、現地住民を先頭にますます拡大・発展している。8月22日からは対北朝鮮の作戦計画5015に基づく米韓合同軍事演習が、米軍2万5千人、韓国軍5万人を大動員して開始された。だがその真っただ中で、これに真っ向から対決する形をとって、米日韓3国軍事同盟が推進するサード配備の絶対阻止を求める、熱い闘いが燃え広がっている。
 8月26日、サード配備予定地とされた慶尚北道星州(ソンジュ)郡で、現地住民が連日開催しているキャンドル集会が50日目を迎えた。この日の夜、全国50カ所以上の地域で、星州の闘いに連帯するキャンドル集会が一斉に開かれた。民主労総の組合員を始め、労働者や農民、市民、学生など多数が決起し、星州住民が掲げる「韓国のどこにもサードはいらない」というスローガンをともに叫んだ。

星州で3千人が「人間の鎖」
20160901c-2.jpg 翌27日には、星州現地で3千人の「サードを撤回し平和を実践する人間の鎖」行動が闘われた。サードの基地が設けられる予定の星山里(ソンサンリ)の砲台から郡庁前広場に至る2・5㌔の道が、老若男女の人の列で見る見るうちに埋めつくされた。「サード配備決死反対」と書かれた青い帯を手に手に結んで人間の鎖が完成した後、村の農楽隊が太鼓をたたきながら先頭に立って行進を開始。道に並んでいた人びとが順次その後について郡庁前まで行進し、夜のキャンドル集会に合流した。
 サード配備阻止星州闘争委員会によって読み上げられた宣言文は「ここに人がいる。私たちは与えられれば与えられるままに受け取る犬や豚ではない。私たちの生存がかかった問題について、国家はなぜ私たちの意思を聞かないのか」と弾劾した。そして、〝反対は北朝鮮を利する行為だ、国が滅んでもいいのか〟というパククネと保守反動勢力の主張に対し、「私たちは国家のために存在するのではなく、私たちのために国家が存在するのだ」と宣言した。
パククネ打倒へ歴史的決起
 サード配備反対闘争の発展と拡大は、パククネ政権を今や重大な危機にたたき込んでいる。
 7月8日の韓国へのサード配備決定は、米帝・日帝と結託したパククネと国防部による、政府・与党内での意志一致さえない独断的決定として強行された。7月9日には第1候補地とされた慶尚北道・漆谷(チルゴク)で反対闘争が起き、13日には第2候補地の星州への配備が発表された。星州の星山里にはすでにホークミサイル部隊の基地があり、この基地を拡張して米韓連合軍による戦争の一大拠点につくりかえようとする計画だ。だが現地住民に何の相談もない突如の決定に、ここでも直ちに激しい怒りが爆発した。
 それはパククネ政権にとって予測を超えた大反乱だった。星州郡は農業生産の盛んな地域であると同時に、昔からパククネの最大の支持基盤とされてきた地域である。郡の人口4万6千人のうち与党・セヌリ党の党員が4100人。2012年末の大統領選では86%がパククネに投票した「保守勢力の牙城(がじょう)」だ。それがほとんど一で、「パククネとセヌリ党の打倒」を叫ぶまでに変わった。現地での住民集会は3千人、5千人とほとんど全戸からの決起となった。説明に訪れた首相や国防長官には生卵が投げつけられ、乗った車は包囲されてボコボコにされる有り様だ。
 あわてたパククネは8月に入って、第3の候補地を探すと口にした。星州郡の首長や地元ボスを抱き込み、「別の地域に配備するなら賛成する。国家安保に無条件反対はしない」という記者会見を8月22日に開かせた。しかしこの策動も、怒った住民の総決起によって粉砕された。逆に、「韓国のどこにもサード配備はさせない」決意と団結が圧倒的に打ち固められている。
民主労総ゼネストが根底に
 星州住民の決起をその根底で支えているのは、民主労総のゼネスト闘争だ。民主労総がパククネ政権との絶対非和解の闘いをゼネストをもって貫き、そのもとに全民衆の総決起と団結をつく出して闘ってきたことが、「保守の岩盤」だった地域においてもついに住民の歴史的決起を解き放ったのだ。戦争は労働者階級の団結と国際連帯によって止められる! このことが今まさに韓国の地で、朝鮮半島における戦争の超切迫情勢のただ中で実証されている。
 この闘いと固く連帯し今秋11月国際共同行動の大爆発へ突き進もう。

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