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動労総連合出向無効訴訟 動労千葉の3人が証言 外注化による事故続発暴く

20161031a-1.JPG 動労総連合強制出向無効確認訴訟の第1回証人尋問が10月28日、東京地裁民事第11部(佐々木宗啓裁判長)で行われた。この裁判は、検修・構内業務の外注化により外注先への出向を強いられた動労千葉、動労水戸、動労連帯高崎の組合員が、JR東日本に対し出向命令の取り消しを求めて起こしたものだ。
 動労総連合と支援は、大法廷を埋める結集でJRを圧倒する構えで裁判に臨んだ。他方、JR側も本社・支社の幹部ら五十数人が傍聴席に入り込む異様な態勢をとった。これは、動労総連合の外注化阻止闘争にJRがとことん追い詰められていることを示している。

 裁判では、動労千葉の関道利副委員長と長田敏之執行委員、青年部の渡辺剛史さんが証言に立った。また、会社側が証人に立てたJR千葉支社運輸部運用課の笹本徹課長への尋問が行われた。
 関副委員長は外注化による事故が続発していることをつぶさに暴いた。特に、銚子駅構内でCTS(千葉鉄道サービス)に出向中の動労千葉の組合員が列車の床下を点検中に、運転士がブレーキを緩め、組合員が命からがら床下から飛び出した事故は重大だ。運転はJR、点検作業はCTSに分かれていることがこの事故の根本原因だ。
 関副委員長はまた、JRとCTSが業務委託契約書の覚書で、「不測の事態の場合はJRが要員を確保する」と定めていることを弾劾した。これは動労千葉がCTSでストライキに入った場合、JRがスト破り要員を確保するという意味だ。
 長田執行委員は、CTSに出向中の労働者に対するJRの直接の労務指示が常態化している偽装請負の実態を暴いた。
 渡辺さんは、出向解除でJRに戻ったが、構内運転業務は外注化されているため、習得した構内運転免許を生かせる仕事が奪われたと弾劾した。
 組合側の各証人に対する反対尋問で、JRの代理人は「事故は個人のミス。業務委託とは関係ない。業務委託のどこが違法か」という質問を繰り返した。銚子駅構内の事故については、「運転士は非常ブレーキを常用ブレーキに変えただけ。ブレーキ自体はかかっていた。安全は確保されていた」と言い出した。労働者の命を命とも思わないその態度に、傍聴席から激しい怒りの声が上がった。また、スト破り要員をJR側で確保するという覚書について、「CTSが要員を確保できない場合、委託業務量を調整することは当然」と言い放った。関副委員長はすかさず「われわれのストライキ権、団交権はどうなるのか」と反論した。
 会社側の笹本証人に対し、原告側は反対尋問で出向延長の問題を徹底追及した。主尋問で証人が「出向は原則3年」だが「全員の出向が解除されるのは10年後の見込み」と述べたことをとらえ、「原告らを何年後にJRに戻すという計画はあるのか」と問い詰めた。証人は「ない」と明言した。原告側は「国鉄採用の労働者をJRから追い出すことが外注化の目的だ」とたたみかけた。
 JRを追い詰めたこの日の裁判は、11・6集会への弾みになった。次回裁判は12月16日(金)、動労水戸と動労連帯高崎の組合員が証言に立つ。

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