郵政スキル評価との闘い 都労委へも申し立て
4月3日、東京の目黒郵便局で働く岩本正治さんと銀座郵便局で働く星野勝紀さん(ともにJP労組組合員)が、郵政職場における「スキル評価制度」は労働組合に対する支配・介入に相当する不当労働行為であるとして、東京都労働委員会に申し立てを行った。都労委はこれを受理した。
関西では昨年9月、同じくJP労組組合員で、大阪府の富田林郵便局で働く平沼和典さんと吹田郵便局で働く村山晃さんが、スキル評価制度は不当労働行為にあたるとして大阪府労働委員会に申し立てを行っており、まもなく証人尋問と審理が始まる(本紙2833号で既報)。これに続き、岩本さんと星野さんは東京でスキル評価制度撤廃の闘いを開始した。
今回、都労委に提出した申立書で、岩本さんと星野さんは、1987年に強行された国鉄分割・民営化が「単なる一企業の民営化ではなく日本社会全体に新自由主義攻撃としてかけられた戦後史最大の労働運動解体攻撃」であり、「団結権侵害の国家的不当労働行為」であったことを強調し、郵政におけるスキル評価制度を次のように徹底批判した。
「期間雇用社員は、半年に一度『スキル評価』をされ、これによって賃金が決定される。だがスキル評価の基準は曖昧(あいまい)かつ恣意(しい)的で管理職の判断でどうとでもなる」
「(日本郵政と日本郵便は)労働契約法18条のいわゆる『無期転換』を法定実施時期より1年半前倒しで導入した。……スキル評価によって差別・選別し雇い止め解雇を合法化するものであり、無期転換後も低賃金と無権利の非正規職の固定化である」
「スキル評価制度と無期転換制度をもって、労働者を分断し団結を破壊しようとするのは、……安倍政権の『働き方改革』=戦後労働法制の解体と労働組合解体の意を汲(く)んでいるものである。……JP労組との協約化をとりつけて、現場組合員の労働組合活動を無力化しようとする支配介入である」
岩本さんは申立書を提出後、「これは今までの常識を打ち破る新たな挑戦だ」と、スキル評価制度撤廃へ徹底的に闘う決意を語った。
〔写真〕スキル評価制度撤廃へ徹底的に闘う決意を明記した申立書を提出(4月3日 東京都庁)
この記事へのコメントはありません。