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浪江の常磐線開通式典を粉砕 4・1福島 被曝と帰還の強制を許さない!動労水戸ストライキで立つ

20170403d-1.JPG 4月1日、2011年3月11日の福島第一原発事故以来、不通となっていた常磐線の浪江開通に絶対反対し、動労水戸葉はトライキに決起した。80人が浪江駅前(福島県浪江町)での抗議闘争を展開した。この闘いは浪江駅前ロータリーでの開通記念式典を完全に粉砕し、安倍政権と自治体首長による避難指示解除と、そのお先棒を担ぐJR東日本の常磐線全線開通に対し絶対阻止を宣言した。

80人が浪江延伸を弾劾
 安倍政権が3月末で浪江、川俣、飯舘、富岡の4町村の居住制限と避難指示を解除したことと一体で、JR東日本は4月1日、常磐線の小高(南相馬市)―浪江間の開通を強行した。
 20170403d-2.JPG国は〝福島県民だけは年間20㍉シーベルトまで認める〟〝避難指示解除されたのだから帰れ〟と福島県民をさらに分断し、避難者の住宅の無償提供を打ち切り、被曝と帰還を強制した。そもそも原発事故で故郷を奪い、その責任を一切取らず、再び原発政策に突進している政府が、〝避難をやめて戻れ〟ということなど、どうして許せるだろうか!
 動労水戸は常磐線の浪江延伸に反対するストライキに立ち、組合員が大挙結集し、4・1浪江現地闘争を闘った。福島の人びとの怒りや思いとひとつになり、オリンピックを振りかざした常磐線全線開通、被曝と帰還の強制と徹底的に闘うことを誓い合った。
 午前6時すぎ、動労水戸は浪江駅前で抗議の街宣に立ち、石井真一委員長の熱い訴えが1番列車を迎え撃った。
 午前9時、動労水戸、動労福島を先頭に動労総連合に結集する国鉄労働者など80人が浪江駅前のロータリーに結集。浪江町の「希望の牧場・ふくしま」の吉沢正巳さんが、トラックに1頭の牛を載せて到着した。
 「避難指示解除弾劾! 常磐線浪江延伸弾劾! JRは被曝強制に加担するな!」というシュプレヒコールが響きわたり、石井委員長が訴えた。 「本日、JRは安倍政権の手先になって浪江駅まで延伸しました。4%の人しか帰らない。病院もお店も老人介護の施設もない。何もないところでどうやって年寄りだけで暮らすのか! こんな住民無視の殺人的な政策をどうして見過ごすことができるでしょうか」
 「JRは10月にも富岡まで再開すると宣言し、帰還困難区域の浪江―富岡間の工事も今日から始めると提案しました。労働者を被曝させ、責をとらない。そういう労働を強いることに徹底的に闘います。パククネのように、安倍を牢屋に入れろ! オリンピックのために福島県民を犠牲にする安倍政権と闘いぬくことを宣言します」
命守る闘いを呼びかけ
 吉沢さんは崩れていく町の現実に無念さをにじませ、「『さようなら浪江町』を覚悟し、「必ず原発の時代をのりこえる」と訴えた。
 ふくしま共同診療所の布施幸彦院長は、「線路の周りは除染していない。もし常磐線で事故が起きてけが人が出たら、どうやって運ぶのか」と弾劾した。動労福島の橋本光一委員長、動労福島宮城県支部がJR資本の被曝労働強制と闘う決意を語った。
 動労水戸支援共闘の代表呼びかけ人の小玉忠憲さんの発言は式典参加のために電車から降りる浪江町長を直撃した。「96%の帰町しない住民の意思を国に伝えるのが町長の仕事じゃないのか。公務員の仕事はなんだ。住民の命と安全を守るために公務員労働者はいるのではないか」と、公務員こそが闘いに立つことを呼びかけた。
 動労水戸の辻川慎一副委員長は、「労働者の真実の闘いでこの世の中全体をつくり変える。2020年までに常磐線全線開通するというなら、JRも安倍もみんなぶっ飛ばしてやる」と宣言し、吉沢さんのビラまきの妨害に出たJR幹部社員をと徹底弾劾した。
 福島市の椎名千恵子さんは、「放射能と命は相いれません。国家や資本家に命の基準を任せてはならない」と訴えた。
10月富岡延伸阻む大決戦へ
 動労水戸の4・1ストライキと浪江現地闘争は、浪江駅前ロータリーで式典を駅の中に封じ込め、完全に粉砕した。政府・JRによる常磐線浪江延伸、被曝と帰還の強制に巨大な反撃をたたきつけた。
 「安全に乗客を運ぶ」という鉄道労働者の誇りにかけて被曝労働拒否を貫く闘いの真骨頂を示すとともに、福島の怒りと深くつながり、原発避難者の住宅追い出しを許さない闘いとも一体で闘われた。10月富岡延伸と2020年3月までの全線開通を狙う政府・JRを打ち倒す決戦がいよいよ始まった。それは、JR資本に屈服し労働者と住民に被曝を強制するJR東労組を解体し、動労水戸防―動労総連合の青年部をはじめとして、さらなる組織拡大をかちとっていく重大な決戦だ。常磐線全線開通阻止へ動労水戸とともに闘おう。
希望の牧場・吉沢さんが訴え
20170403d-3.JPG 「希望の牧場・ふくしま」代表の吉沢正巳さんは、午前10時過ぎに浪江駅構内から出てきた政府の原子力災害現地対策本部長の高木陽介をつかまえ「BECO新聞」を手渡そうと詰め寄った。高木は受け取らずに逃げるように車に乗り込んだ。
 浪江駅前で吉沢さんは次のように訴えた。
 「昨日、浪江町を歩いたが、どんどん更地になっている。1割のお年寄りだけが戻って町が成り立つのか。『さようなら浪江町』を覚悟しよう」
 「浪江町民は7回も8回も避難先を変えた。避難の生活の中で400人の震災関連死。牛は餓死し殺処分され、請戸漁港では腐った遺体を捜索した。全部原発事故のせいですよ! 残り人生で必ず原発の時代をのりこえる。広く深い連帯で安倍政治を倒そう」
写真: 午前9時すぎ、動労水戸を先頭に80人が浪江駅前で開通式典を徹底弾劾(4月1日)
     : 午前6時すぎ、動労水戸は浪江駅前で「JRは被曝と帰還強制に加担するな」と、到着する1番列車を
                迎え撃った
     下: 吉沢正巳さん(左)は牛とともに駆けつけた

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