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泣き寝入りせず声上げよう 元東京公立学校教員 根津公子

戦後、日本の教職員は「教え子を再び戦場に送らない」と誓い、団結して戦争国家化を阻んできました。東京都で、学校への「日の丸・君が代」強制と闘い続ける元公立学校教員・根津公子さんに寄稿していただきました。(編集局)

「げんきにあいさつ」は正解?
 「元気に挨拶(あいさつ)しよう」と言われたら、いつでも受け入れることができますか。
 来年度から小学校で、再来年からは中学校で道徳は評価をされる教科となり、教科書が配られます。その小学1年生用教科書の最初の題材は「あいさつ」。元気な心のこもった挨拶をされたらうれしいものですが、その日の心の状態で挨拶どころではない、理不尽なことをする人に挨拶なんかしない、そういう体験は誰もが持っていることでしょう。
 しかし、教科書はどんな状態にあっても、「元気に挨拶」を正解とするでしょう。正解に向かって1年生は頑張るでしょうし、それができない1年生は「だめな子」と落ち込むのではないでしょうか。

 道徳の教科書は生活態度のほかに、ルールを守れ、「日の丸・君が代」を尊重し「愛国心」を持てと書きます。道徳とは行為の良し悪しを判断できることと思うでしょうが、「日の丸・君が代」「愛国心」に見られるように真の目的は「国の一大事には国のために命を捧げる」ことなのです。
 森友学園問題で有名になった塚本幼稚園が、園児に「教育勅語」の朗唱をさせていることが話題になりました。「教育勅語」は戦前日本の道徳教育の根幹をなし、学校では「修身」という教科で「天皇のため、国のために命を捧げる」ことを教え、子どもたちを戦場に駆り立てました。その反省から失効決議(1948年)がされたのです。
 しかし、自民党政府は58年、道徳は「教育勅語」の復活だと反対がある中、道徳を教科外として特設、現在に至りますが、ここに来て安倍政権は道徳を正式な教科に格上げしたのです。再び学校は、「国のために命を捧げる」ことを教えるようになります。
「日の丸・君が代」「愛国心」なぜ必要?
 公立学校の卒業式・入学式では「日の丸」掲揚・「君が代」斉唱が行われます。東京(2004年から)や大阪(11年から)では、教職員は「君が代」起立を求める職務命令に従わないと処分をされます(以前は「日の丸・君が代」のない式をしていた学校、地域がかなりありました)。
 私は05年から定年退職するまで「君が代」不起立処分を受け続け、07年からは停職6月処分(=6カ月間は仕事・賃金なし)を受け、クビを覚悟し続けました。クビを覚悟してまでなぜ?と思われるでしょう。 「日の丸・君が代」については国論を二分する考え方があるにもかかわらず、子どもたちは全教職員が起立・斉唱する姿を見させられ、同じ動作を指示され、国の考えを刷り込まれていきます。では、指示に従うその行き着く先は?と言えば、ブラックバイトも非正規・低賃金も、クビにされても受け入れよ、であり、戦争になったら進んで兵士に志願せよ、になります。
 私は子どもたちの未来を奪うことに加担できず、「君が代」起立斉唱を拒否したのです。
 今国会に共謀罪法案が上程されていますが、大人は共謀罪でものを言えなくし、子どもは道徳をはじめ学校教育で従順さを身に着けさせる。これが安倍政権の狙いです。
声を上げよう! たたかうことで道は拓ける
 根津はクビ、と都教委は考えていましたが、クビは阻止。全国の人たちに呼びかけて連日、都庁に詰めかけ闘った結果です。その体験から思うのは、理不尽なことをされたら泣き寝入りせず、声を上げること。それが解決につながります。歴史に学び、世界に目を向けて、誰もが人らしく生きられる社会を一緒につくり出していきましょう。

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