常磐線開通式典を粉砕 動労水戸 JR東社長を直撃
■被曝を強制するな富岡駅延伸を弾劾
JR東日本が10月21日、福島第一原発事故以来不通になっていた竜田駅から富岡駅(福島県富岡町、福島第一原発から10㌔圏内)まで常磐線を延伸したことに対して、動労水戸はストで反撃に立ち、富岡駅で怒りの抗議行動をたたきつけた。抗議行動には動労福島、動労総連合・新潟や仙台、福島、東京からも駆けつけ、50人が雨の中、午前9時から2時間にわたりJR東日本を徹底弾劾した。
安倍政権とJR東日本は動労水戸の4月1日の浪江闘争によって開通記念セレモニーを完全粉砕された。今回は富岡現地にJR東日本の冨田哲郎社長がのりこみ、JR社員、富岡町職員、警察権力などを動員して抗議の声を力づくで圧殺しようとした。しかし、衆院選闘争を全力で闘いながら決起した動労水戸と動労総連合、福島県民は根底から怒りを爆発させ、富岡駅前でのセレモニーを実質的に粉砕した。冨田は抗議行動で40分も駅構内に閉じ込められたのだ。
最初に、動労水戸の石井真一委員長が「JRは東京オリンピックのために電車を通して、乗務員と乗客に被曝を強制している。福島を切り捨てる行為だ」と弾劾した。動労福島の橋本光一委員長は「私はJR郡山工場で電車の検査・修繕をしている。福島を走った電車を検査する時は、労働者が被曝している。許してはおけない」と訴えた。
続いて、ふくしま共同診療所の布施幸彦院長は「福島では原発事故後、甲状腺がんになった子どもは191人。大人は1千人以上が手術している。除染をしたのは線路の部分だけ。森も川も線量は下がっていない。そんなところに帰ってはいけない!」と火を吐くように弾劾した。浪江町にある希望の牧場・ふくしまの吉沢正巳さんは「全国で原発事故の反省もなく原発が再稼働されようとしている。事故の後の無念をもう一度思い出そう。原発をなくそう」と呼びかけた。
■安倍とJRに怒り全線開通を阻もう
動労水戸支援共闘の小玉忠憲代表は、冨田哲郎社長を迎え撃ち国鉄分割・民営化による解雇を撤回しろと積年の怒りをたたきつけた。動労水戸の辻川慎一副委員長は「富岡駅に電車が通ったから復興なんですか? 形だけの復興、形だけの開通。原発事故は何も終わっていない。避難指示を解除して常磐線を開通させるなんて絶対にダメだ」と訴えた。
富岡駅の周りは津波で倒壊した建物が残っており、除染で放射性廃棄物をつめこまれたフレコンバッグが大量に積まれている。富岡闘争は帰れない富岡町民の思いを体現した決起だった(10月1日現在の帰町者は304人、住民登録者の2・3%)。
また、富岡駅の業務はJESS(JR東日本ステーションサービス)に委託されるはずだったが拒否され、JR本体がやらざるを得なくなった。駅の近くにホテルも開業し売店も開店した。駅構内で開店したそば屋は、時給1300円という破格の時給だ。すべて復興を演出するための見せかけでしかない。
JR東日本は20年3月までの常磐線全線開通を宣言している。被曝を強制する資本へのJR労働者の怒りは必ず爆発する。常磐線開通を絶対阻止しよう。
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