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三里塚団結街道裁判―小泉市長を証人に呼べ!

20181013-a-1.jpg 10月12日、千葉地裁民事第3部(阪本勝裁判長)で団結街道裁判が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生・市民は、天神峰・市東孝雄さんの営農を妨害するために行われた団結街道の封鎖・破壊にあらためて怒りをかきたて、この日の闘いに臨んだ。
 弁護団は冒頭に、陪席裁判官の交代に伴う更新意見陳述を行った。
 前々回の2月27日に行われた被告・成田市の元土木部長・中村壽孝の証言は、あまりにもひどかった。責任ある立場にありながら、団結街道を廃道にした経緯・根拠・手続きなどについて、「わからない」「記憶にない」などと繰り返した。土木部は交通量調査もせず、当事者である市東さんに事情を聞いてもいない。過去の廃道の前例の調査もしていないという。
 結局明らかになったことは、道路法10条の廃道の要件(一般交通の用に供する必要がなくなったと認める場合)を無視して、市の幹部によって、結局は小泉一成市長の「ツルの一声」で廃道が強行されたという事実だ。
 この裁判で市があれこれ主張していた法律論はすべて破産した。法律を無視した政治案件として廃道が強行されたことが暴かれた。したがって小泉市長の証人尋問は不可欠だ。

 さらに弁護団は、市東さんの生活と営農が空港によって包囲され圧迫されている現実を怒りをこめて弾劾した。
 そして、2010年2月10日に反対同盟が成田市に対して行った追及行動の際の「廃道化計画中止を要求する」声明と小泉市長の「回答」などを証拠提出した。また、団結街道の廃道と売却の決定・実行に関連する文書提出命令の申し立てを行った。
 そして証人として小泉市長と片山敏宏・元成田市副市長の尋問が不可欠であることを重ねて求める人証申請の補充書を提出した。
 だが、成田市は、片山の尋問は「必要ない」との意見書を出してきた。
 ふざけるのもいい加減にしろ! 成田市では09年から、国交省送り込みの官僚を空港事案を専門に担当する二人目の副市長にすえている。片山はその最初の副市長で、反対同盟や弁護団の抗議・申し入れに対応し、また市議会で廃道の件で答弁を行っていた当事者中の当事者だ。
 そして、これまで再三証人として呼ぶことを求めてきた小泉市長についての採用だけは今この場で決定するよう、弁護団は阪本裁判長に強く要求した。
 ところが裁判長はそれを拒否し、「証人採否と文書提出命令申立書への判断は次回に行う」として、11月2日午後に決まっていた証人尋問のための期日を一方的に取り消した。直ちに弁護団が猛抗議し、傍聴席からも怒りの声が次々と上がった。「なぜこの場で決められないのか!」との追及に、裁判長はうろたえながらも頑なに答えを拒否し、「次回に」を繰り返し、その次回期日を来年1月15日午後10時30分開廷と強引に決めて、閉廷を宣言した。
 千葉県弁護士会館で、伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれ、葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団が法廷での応酬を解説した。元土木課長・中村の証言の大破産で窮地に陥った被告の市とNAAを救済するために、裁判長は市長と元副市長の証言を「やらせない」との姿勢をむき出しにしているのだ。こんな不公平でデタラメな訴訟指揮を必ず粉砕することを確認しあった。
 最後に太郎良陽一さんが反対同盟の今後の方針を告知した。目前の10・14全国集会への大結集、さらに11月18日の「市東さんの農地取り上げに反対する会」シンポジウムと翌19日の耕作権裁判・千葉地裁包囲大闘争への連続決起、そして12・20請求異議裁判裁判判決の勝利が訴えられた。参加者全員が熱い拍手で受けとめ、「農地死守」を誓い合った。
 反対同盟と支援連はこの日早朝、10・14集会参加を訴えるJR佐倉駅でのビラまきをやり抜いて、裁判に駆けつけた。この奮闘に応え、10・14三里塚現地へ大結集しよう。(TN)

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