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韓国でも築地と同じ闘い ソウル 水産市場廃止を実力で阻止

20181210b-1.jpg 韓国・ソウル中心部のノリャンジン(鷺梁津)で長年営業を続けてきたノリャンジン水産市場で、市場廃止と新市場への移転に反対する商人の闘いが巻き起こっている。これは、小池都知事による築地市場廃止・移転攻撃に立ち向かう仲卸の仲間たちの闘いとまったく同じものだ。
 民間資本に開放して営利事業化
 この市場は100年近くも続いてきた歴史のある市場だ。しかし2002年以来の民営化政策によって、水産協同組合が建物と駐車場を所有し、民間資本との間で賃貸借契約を結んで管理・運営する形となった。市場の法的な開設者はソウル市だが、商人たちは市場法人である民間資本と契約して各店舗で商売を続けてきた。

20181210b-2.jpg しかし協同組合はその後、民間資本とともに新たな市場を建設し、16年3月に開場を強行。ソウル市も、中央卸売市場の開設場所を新市場に変更した。この事業は事実上国策として進められ、建設費の7割が国費から支出された。しかしこの過程で、商人たちは一貫して議論から排除されてきた。
 ノリャンジン市場廃止・新市場開設の最大の狙いは、市場を民間に開放して営利事業に変えることだ。協同組合はノリャンジン水産市場を廃止して同地域の大規模な再開発を行い、リゾートホテルなどを備えた「水産テーマパーク」を造る計画を提出。不認可となったものの、カジノの設置も予定されていた。
 追い出し攻撃と闘い市庁舎占拠
 しかし、新市場はスーパーのような構造で各店舗の面積も通路も狭く、手押し車が通ることができない。風通しが悪く、あちこちにカビがつくという証言もある。排水溝や水槽、駐車場との連結通路なども構造的な欠陥だらけだ。またスチロールの焼却施設が地下に造られ、発がん性のある物質がすぐ上の階で販売される商品に付着するおそれも指摘されている。
 賃貸料もこれまでの約2倍の高さだ。多くの商人たちが「こんなところで営業はできない」「市場は公益のためのものであり、利権を求める勢力の介入を許してはならない」と新市場への転居を拒否し、これまでの場所で営業を続けてきた。実際に、商品価格が高い新市場から戻ってくる顧客もいるという。
 これに対して暴力団を使った襲撃や、ショベルカーでコンクリートを剝がすなどの卑劣な攻撃が加えられた。11月5日にはなんと電気と水道を遮断した。商人たちは 「冬季の断電・断水は殺人行為そのものだ」として強く抗議。市長との面談を求めて10日間の市庁舎占拠闘争も行ったが、ソウル市はまともな対応を拒否している。
 一方、民主労総をはじめとした労働者民衆は商人たちを支援し、ともに闘っている。11月16日には、旧市場の建物を無断占有したとしてしかけられた商人たちへの損害賠償請求が棄却される勝利も勝ち取られた。
 この闘いは築地を守る闘いとひとつだ。国際連帯を発展させ勝利しよう。
写真広大なノリャンジン市場の中をデモする商人たち(ソウル・銅雀区)
    「絶対死守」の鉢巻きと「団結・闘争」のベストを身に着け、固くスクラムを組んで闘いの先頭に立つ女性の商人たち

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