被曝強いるオリンピック反対 ふくしま共同診療所の報告会を開く 原発なくせの声を杉並から
4月7日、杉並区内でふくしま共同診療所の報告会(主催/NAZEN杉並、東京労組交流センター医療福祉部会)が開催されました。杉並区民をはじめとした70人以上の参加者を前に、ほらぐちともこさんが「原水禁運動発祥の地・杉並から、福島と連帯し『東京オリンピックはいらない』を掲げて杉並区議選に立候補します」と鮮烈に決意表明し、会場が大きな拍手で応えました。
福島と共に進み、原発絶対反対を貫き、「東京オリンピックは中止を!」と真正面から掲げている候補はほらぐちさんだけです。ほらぐちさんの当選をかちとり、杉並から安倍政権を打倒する闘いの大前進をかちとる決意が会場にみなぎりました。
講演を行ったふくしま共同診療所の杉井吉彦医師は、福島の現状について80分間にわたって熱弁を振るい、①小児甲状腺がんの多発、②高濃度汚染水の海洋放出、③放射性廃棄物の「中間貯蔵」という名の永久貯蔵、④危険な廃炉作業と作業員の被曝、⑤帰還強制と住宅補償打ち切り、の5点の課題を明らかにしました。
どれ一つとっても生命に関わる重大問題です。小児甲状腺がんは、公式発表でも200人を超えました。通常発生率の50〜60倍です。統計上からも原発事故が原因であることは明らかですが、政府と福島県、御用学者は絶対に認めません。しかも原発事故から8年経って非がん性疾患も通常発生率よりも高い傾向が出てきています。チェルノブイリでもそうですが、時間が経てば経つほど健康被害状況は顕現し、拡大してきます。決して隠し通すことはできません。ここが政府・東電の弱点です。小児甲状腺がんを中心に原発事故の全体を明らかにし、彼らの責任を徹底追及していくことが必要です。
また杉井医師は、東京都が3月末、公務員住宅に入居している避難者に退去通告を出したことを弾劾しました。国際基準になっている年間被曝線量1㍉シーベルトを、福島県だけは20㍉シーベルトに引き上げ、帰還を強制しようとしています。「医療従事者の年間被曝線量は5㍉シーベルト。その4倍もの高線量の中、子どもたちに生活しろというのか」。会場の怒りは沸騰しました。
杉井医師からの報告に続いて、IPPNW(核戦争防止国際医師会議)ドイツ支部のビデオメッセージが上映され、同支部が世界に向けて発した「被曝を強いるオリンピック反対」の声明をほらぐちさんが読み上げました。
質疑応答では、杉並区民から「福島の現実を知った。これをどうしてマスコミは報じないのか」「動画や書籍の形で伝えたい」と声が上がり、活発な意見が出されました。杉井さんは「正義性と論理的正しさで安倍や福島県、御用学者を迎え撃ち、発信し続けていくことが全体を動かす」と締めくくりました。
最後にNAZEN杉並から①被曝と帰還の強制反対などの署名を通して復興庁や福島県を追いつめる、②東京で保養運動に取り組む、③避難者追い出しを止める、④東海第二原発再稼働反対運動の強化などを、東京での行動方針として訴えました。そして何よりもNAZENとして推薦を決定しているほらぐちさんの杉並区議選への支援が呼びかけられ、会場からの大きな拍手で確認されました。(一陽会労働組合 櫛渕秀人)
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