改憲阻止へ5・1メーデー 天皇即位と対決し銀座デモ
「5月1日は労働者の闘いの日だ。天皇即位でメーデーをつぶすな!」――5月1日、東京・中央区の銀座ブロッサム中央会館ホールで5・1メーデー(主催/改憲・戦争阻止!大行進実行委員会)が開催された。安倍政権は新天皇即位と改元の大キャンペーンでメーデーの圧殺を狙ったが、これと真正面から対決し、全国の職場・地域から決起した815人の固い団結で戦闘的な集会とデモが闘いとられた。
洞口杉並区議が決意表明
開会あいさつを行った世田谷地区労顧問の花輪不二男さんは、「働き方改革」と対決し「メーデーを通じて労働者の解放をかちとるという自覚と実践を高めよう」と開会を宣言した。
とめよう戦争への道!百万人署名運動事務局長の西川重則さんが呼びかけ人のあいさつを行い、「憲法への自衛隊明記を許さない」と訴えた。
動労千葉の田中康宏委員長が天皇即位と改元でメーデーを圧殺し改憲・戦争への道を掃き清める攻撃を弾劾し、「労働者の地位、雇用、権利、賃金など支配の仕方が大転換しようとしている。改憲・戦争と労働者が置かれた現実は二つにして一つ。この状況に対して団結して声を上げる時代が来た」と提起した。6・9日国鉄闘争全国集会をステップに秋の臨時国会、11月東京―ソウル国際共同行動に向かって「これまでと違うレベルの新しい闘いをつくろう」と呼びかけた。
東京過労死を考える家族の会から2人が発言に立った。医師であった夫を亡くした過労死遺族は、厚生労働省が医師は年1860時間まで時間外労働をして良いと決めたことへの怒りを表明した。続いて娘を亡くした遺族が発言。「地獄の苦しみを味わう家族を増やしたくない」という憤りを参加者は共有し、職場からの闘いを誓った。
杉並区議選で「改憲・戦争反対」「杉並の地域をこわすな」と訴えて初当選した洞口朋子区議が今後の闘いへの決意を述べ、圧倒的な拍手を受けた。
「労組なき社会」許さない
「天皇即位でメーデーを潰させない」と題して高山俊吉弁護士が講演を行った。高山弁護士はまず、改憲に突進する安倍が天皇を利用せざるを得ないところに追い込まれていると強調。続けて、メーデーは8時間労働の実現に向けて職場を放棄して立ち上がることから始まり、弾圧との闘いの歴史であったと提起した。「この歴史を引き継ぎ、私たちはなんとしても世の中を変える。私たちは必ず勝利する。資本による搾取が存在する以上、搾取される者は闘いに立ち上がる」と結んだ。
基調報告を行った動労東京の吉野元久委員長は、銀座メーデーが全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部と全港湾が主催する同日の中之島メーデー(大阪)、横浜赤レンガ倉庫前での全国港湾メーデーと共に、全世界の労働者と連帯して闘われていると確認し、「戦争前夜情勢に対して労働者の反撃ののろしが上がっている。『労組なき社会』をめざすJRの大攻撃を打ち破り、6・9国鉄集会、今秋改憲発議絶対阻止へ進もう」と提起した。
国鉄など全産別から闘いの報告
広教組組合員が「改憲・戦争阻止!教え子を再び戦場に送らない!広島教職員100人声明」の賛同が151人に拡大したと報告し、現場から闘う広教組をよみがえらせる展望を語った。三浦半島地区教組組合員が地域の労働者と共に「教え子を戦場に送るな」の闘いをつくり出すと述べ、日教組奈良市の組合員が改憲・戦争阻止!大行進・奈良の団結で激しい労組破壊に立ち向かい、次々と青年・女性が組合に結集していることを報告した。
「非正規職だけの社会をつくらせない」として、東京の自治体労働者が会計年度任用職員制度導入を許さない労働組合の闘いをつくり出すと語った。東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の鈴木善弘分会長が組合員と共に登壇し、職場の全員を組合に組織する果敢な挑戦を報告した。
動労水戸の石井真一委員長がJR東日本の運転士・車掌廃止の攻撃は絶対に粉砕できると語り、被曝と帰還を強制する常磐線全線開通に反対して今秋全国集会を開催すると提起した。
セブン‐イレブン・ジャパンと闘う千曲ユニオンの河野正史副委員長がコンビニ労働者の実力的な決起で社長古屋を打倒したと述べ、コンビニ関連ユニオンを全国につくりストライキで闘うと熱烈な決意を述べた。外登法・入管法と民族差別を撃つ全国実行委員会が、新設された就労資格「特定技能」で外国人労働者に被曝労働をさせることは究極の使い捨てだと弾劾し、5・5全国交流集会への参加を訴えた。
集会にはロサンゼルス統一教組(UTLA)のアーリーン・イノウエさん、ATUローカル241(合同都市交通労組第241支部、シカゴ市バス)の執行委員から連帯メッセージが届いた。
集会後、皇居に向かった日比谷公園中幸門までのデモは「天皇いらない、安倍いらない、非正規職なくせ、今日はメーデー労働者の日」と元気なコールを都心に響かせた。天皇制によるメーデー圧殺攻撃を打ち破る階級的労働組合の団結の力を示し、沿道の多くの労働者の共感を得た。
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