非正規職撤廃掲げデモ 韓国 旭支会の仲間が先頭に
韓国・民主労総はソウルで5月11日、労働基本権の獲得と非正規職撤廃を掲げて決意大会を開催し、青年を先頭に2千人以上の非正規職労働者が参加した。
被解雇者を擁する全国教職員労働組合を一貫して労働組合として認めず、「法外労組」であることを強制して団体交渉やストライキの権利を奪っていることに象徴されるように、韓国において労働基本権はいまだ完全には認められていない。ムンジェイン政権のもとでも、こうした労働者の現実は変わっていない。
労働者が労働組合のもとに団結して闘うことを暴力的に否定することにより、「無労組経営」を自慢としていたサムスンのような財閥が政権と癒着して労働者を支配し、食い物にして肥え太る構造が長きにわたって続いてきたのだ。
しかし、民主労総の不屈の闘いを柱として切り開かれたろうそく革命が継続される中、非正規職の青年労働者を先頭に、今こそ労働者が人間らしく生きられる社会をつくろうという闘いが力強く始まっている。
大会では、「団結と結社の自由が政府によって保障されず、最も苦痛を受けるのが非正規職労働者であり、憲法を最初に守らなければならない大統領と政府が守ることができないのであれば、われわれ非正規職労働者が、闘争で、力でかちとっていこう」との訴えがなされた。
また、「個人事業主」とされ労働基本権を奪われている「特殊雇用労働者」を代表して登壇した代理運転労組の委員長は、「2年前にムンジェイン大統領は『非正規職の友になる』と言ったが、建設非正規職や貨物、代理運転労働者が再契約に苦しみ、仕事中に死に追いやられ、賃金を受け取るために高空クレーンに上がって落下する、これが今の現実だ」と怒りに満ちて訴えた。
集会後、デモ隊は都心を通って光化門まで行進。解雇撤回を求めて闘う旭非正規職支会の仲間たちもその先頭に立った。
中でも目を引いたのは、この間労災で亡くなった非正規職労働者50人の死亡日時、死因などを記した白黒のボードを掲げて進んだ隊列だ。「2019年4月3日死亡」「4月9日死亡」「4月15日死亡」……文字通り「死の行列」だ。非正規職労働者が死と隣り合わせの日常を強制されている現実を一刻も早く終わらせなければならないという痛切な思いが、見る者の胸に湧き上がってくる。
韓国に五つある発電会社を例にとると、2008年から16年までの9年間に労災で死亡した労働者の実に92%が下請けの非正規職だった。昨年12月に発電所での事故で死亡した青年労働者キムヨンギュンさんもやはり非正規職だった。
こうした現実と対決するために、本大会に先立って1千人を超える非正規職労働者が結集して決意大会を開催した。清掃、教育、公共部門という社会の根幹をなす部門で働く労働者たちが非正規職撤廃を訴え、ゼネスト闘争を宣言した。
「非正規職だけの社会をつくらせない」――韓国の仲間の闘いは私たちの闘いとひとつだ。職場に渦巻く怒りとつながり、現実を覆す運動をつくりだそう。
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