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三里塚で一斉行動と天神峰カフェ―「A滑走路飛行時間延長許さない」

「農地死守、空港機能強化粉砕」の決意を込めて、天神峰カフェと一斉行動の参加者全員でこぶしを固めた(8月25日)

8月25日、三里塚芝山連合空港反対同盟が呼びかける空港周辺地域一斉行動(第76回)と天神峰カフェが行われた。
成田空港会社(NAA)新社長に元国交省航空局長・田村明比古が就任し、空港機能強化攻撃がいよいよ激化する中での闘いとして、反対同盟、支援連、地元住民、近県の労働者など50人が酷暑を打ち破って参加した。

あいさつする市東孝雄さん

天神峰の市東孝雄さん宅離れが立つ中庭の木陰で、正午前にカフェがオープン。アイスコーヒーや取れたて野菜、持ちよりの手作りケーキなどで和んだ上、市東さんがあいさつした。「10月からA滑走路での飛行時間が、これまでの6時~23時から6時~0時へと1時間延長されようとしています。これへの反撃として、今日はA滑走路周辺地域に入る一斉行動を兼ねてのカフェとなりました。暑い中ですがよろしくお願いします」
続いて伊藤信晴さんが現地情勢を報告した。「睡眠を奪う深夜の飛行機騒音は、人間の健康を破壊する公害だ。今日はこのことを強く訴えよう。相川勝重芝山町長をはじめとした第3滑走路建設推進派は、予定地住民からの同意書取りを躍起になって進めている。彼らは、市東さんのような絶対反対の住民が一戸でも残ったら計画は破産するというあせりに駆られている」
ここで「機能強化反対」を掲げて立ち上がった地元住民2人が紹介され、大きな拍手が湧いた。
さらに動労千葉の繁沢敬一副委員長、市東さんの農地取り上げに反対する会、埼玉県の自治体労働者、群馬県からの参加者、米軍横田基地のオスプレイ配備に反対する労働者などがあいさつした。
東峰の萩原富夫さんは、「地元の声を直接聞くというわれわれの毎月の一斉行動が、今立ち上がっている住民を大いに励ましている」と述べ、一同の奮起を促した。

伊藤信晴さんが空港周辺地域での動向などを参加者に説明

完成したばかりの反対同盟ニュース第71号を携えて、参加者はA滑走路を重点にそれぞれの分担地域に入り、住民と交流した。
A滑走路の発着時間延長と午後10時台の便数制限撤廃によって、10時以降の発着回数は3倍に増加し、それが深夜0時まで続く。NAAと自治体は住民の声など一切聞くことな

強制執行攻撃との闘いの焦点である南台の畑を、宮本麻子さんが案内した。「ぜひ暇を見つけて草取りに来てね」

く、それを強行しようとしている。深夜騒音がもたらす健康被害は、「内窓設置」などの防音工事で防げない。睡眠を奪うな。静かな夜を返せ! 時間延長絶対反対の声を上げよう――。
この反対同盟の主張がニュース配布と対話を通して、これまでも騒音に悩まされ続けてきた住民に大きな共感を呼び起こした。また芝山町の第3滑走路予定地域では、NAAが執拗に移転の「同意書」を住民から集めている実態が伝わってきた。だが、農業をつぶし地域に線を引いて分断するやり口に、不信が募っている。10月から実施される内窓工事の申請もさっぱり進んでいない。
国は、住民の声がやがて「農地死守・実力闘争」へと発展することを恐れて、「百パーセント、一人残らず同意書を取れ」とNAAに圧力をかけている。だが、そうしたごり押しの姿勢が反発を呼び、「判など押さない」と拒否する人が増えている。反対同盟への期待の高まりが、回るほどに実感された。
婦人行動隊の宮本麻子さんは、数年ぶりに三里塚現地を訪れた参加者のために、南台農地、東峰神社などを案内して回った。
夕刻に再び市東さん宅離れに集合し、一日の行動を集約し、次回9月15日(日)にも再びカフェと一斉行動を同時開催すると確認。
最後に決戦本部長の太郎良陽一さんが、「9月24日、請求異議裁判控訴審の第1回が開かれる。市東さんの農地を守るために全力で駆けつけ、東京高裁を重包囲しよう」と力強く訴えて締めくくった。(TN)

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