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京大処分撤回! 全国で自治会再建を コロナ下で全学連大会

多くの初参加者を迎えて活発な議論が行われ、全国大会をかちとった(8月30日)

2020年度の全学連新執行部。左から太田蒼真副委員長(広島大学)、高原恭平委員長(東京大学)、赤嶺知晃執行委員(沖縄大学)

全学連は8月29~30日、第81回定期全国大会を開催した。コロナ下で多くの学生が全国から集まり、安倍政権崩壊情勢の中で新自由主義と闘う「第2期自治会再建」方針と京大処分撤回闘争が提起され、秋の決戦に向けた団結を固めた。
今大会はコロナ感染症対策のため場所を非公開にして開催されたにもかかわらず、京都を中心に全国から多くの初参加の学生が集まり、自治会再建に向けた大きな展望を生み出すものとなった。

冒頭に中央執行委員会から議案の提起が行われた。高原恭平委員長は「コロナ危機を通じて、全国の大学で自治会再建運動が始まっている。あらゆる大学で自治会をつくり、新自由主義・戦争国家化と闘おう」と訴えた。

議案提起の後、活発な討論が行われた。各大学の闘いの報告の中から、大学ごとの個別性・特殊性を考慮しつつも共通の課題を明らかにして、全国的な自治会再建に向かう展望が明らかにされた。
何より昨年の大会で最大の方針となった京大での処分撤回闘争の意義と総括が当該学生を先頭に訴えられ、全国学生からも京大生と団結してともに闘う熱い決意が語られた。
最後に新執行体制が選出され、秋の反戦闘争と京大処分撤回闘争への決起が訴えられた。

初参加者が次々と大会の意義を語る

「自分もここから何か吸収できるものがあるんじゃないか」。全学連大会に初参加した関東の大学のAさんはこう語った。
Aさんは全学連に関わっている友人に連れられて大会に来た。「全学連の方たちは、色々難しい社会状況の中で頑張っていると思いますが、まだ不十分な点や、集めきれていない声もあると思います。もっといろんな社会の不満を集めて、社会を変える力にしていくために議論し、運動をつくっていこうとする(全学連の)姿勢に感銘を受けて参加しようと思いました」と語った。
同じく初参加の関東の大学のBさんは、自治を守る活動を細々と続けてきたが、コロナ情勢で全学連に自分から接近したという。「私が初めて全学連の活動に携わったのは、7・4~5の学費減免を求めるデモの活動でした。このコロナ情勢下で新自由主義のむき出しの攻撃がより広範に、誰にでもわかるような形であらわれた。そういう中で自分よりも体を張って闘っている人たちがいると知って、関わるようになりました」「オンラインではなくオフラインで顔を見て議論していく中でしか得られないものもあると思い、参加しようと思いました」と、うれしそうに語った。
初参加の関西の大学のCさんは、「自分の大学には御用団体も含め自治的なものが一切ない中で、全学連を知って関わるようになりました」「新自由主義の結果、大学がエリートの育成の機関になっていて、それに対抗するための学生自治会の意義は大きいと思います。地方の大学ですが、自治のあり方を考えられたらいいなと思って今回参加しました」と語り、大会への期待を寄せた。

学生自治の萌芽生み出す

今回の全学連大会の意義は第一に、コロナ―安倍政権崩壊という歴史的情勢の中でかちとられたことだ。

支配の虚構が崩壊

安倍は7年8カ月の任期中、一貫して労働者人民の怒りから顔を背け、開き直ることで延命してきたに過ぎない。そして日帝の悲願である改憲を自らの任期中に成し遂げると叫び続けたが、結局は階級支配の破綻に追い詰められ体調問題を理由に政権を崩壊させた。
「資本主義がたびたび政治危機に見舞われながらも継続してきたのは、資本主義が成長神話を作り出してきたから」(大会議案)という側面がある。安倍は「アベノミクス」を掲げながら経済成長を演出して人民を欺こうとしてきたが、コロナ・パンデミックによって完全に虚構は崩壊した。さらにコロナ対応で反感を買っただけでなく、検察庁法改定策動とツイッターデモの爆発、森友・加計に続くIR・河井夫妻選挙汚職の発覚など、政治危機も噴出させながら安倍は沈没していった。
安倍の次が誰になろうが、日帝が新自由主義を進めることも明らかである。これに階級的組織化で立ち向かっていく気概にあふれて大会はかちとられた。

危機をチャンスに

第二に、コロナ禍で大きな困難性を抱えながらも、危機をチャンスに転じ、学費減免運動を始め攻勢的闘いを展開してきた地平の上に開催されたことである。
今年度に入って、大学ではコロナ対策を理由にオンライン教育の導入に一気にかじが切られ、ほとんどの大学で学生が一度も大学という空間に集まらないまま夏休みを迎え、後期の見通しもいまだ立っていない。これは仕方ないことではなく大学改革攻撃の一環である。小林喜光・三菱ケミカル会長は「国立大学法人の戦略的経営実現に向けた検討会議」で「非常に不幸なコロナ禍ではあるんですが、これをいいトリガーにして、オンライン化、遠隔教育を是非大きく前進させていただきたい」と語っている。同時にこの攻撃は学生自治・文化の一掃まで射程に入れたものであり、実際に多くの学生団体が新歓活動を行えないまま存続の危機に立たされている。

こうした状況の中で全学連は全力で決起した。首都圏では5・1メーデーの際の文科省への申し入れ行動を皮切りに、隔週で文科省前行動を呼びかけ、毎回新しい学生が合流した。この闘いと一体で全学連の仲間がいる大学でも闘いが高揚した。複数の大学で学費減免を求めるアンケートや署名が千人規模で行われ、学長など大学当局の責任者クラスを学生との面談に引きずり出すところまで運動が進展した。またキャンパス封鎖に伴う学生自治・文化の破壊に対して、学生独自の活動によって横のつながりが生み出され、学生自治の萌芽が生まれている。こうした実践を土台として、7・4~5全国学生行動が打ち抜かれ、東西で約百人の学生がデモに立った。

「コロナ以前からの大学政策全体が危機だったことを指摘し、さらにその原因が学生の力が失われたことにある、と訴えて運動してきた積み重ねが運動主体を形成してきた」(各大学報告)と、この約半年間の総括を全国の学生が共有することで秋以降の闘いの展望をつかんだ。

第三に、2011年以来の学生自治会再建運動を第1期として総括し、コロナ情勢下での第2期への突入を決意したことである。
全学連は、06年から始まる法大闘争で、戦後的大学のあり方から完全に転換した「新自由主義大学」との死闘を演じながら、その対象化と新たな時代の学生運動を模索してきた。その中で「学生自身の団結に徹底して依拠すること」(大会議案)を最も大切な教訓としてつかみ取って来た。そしてこの闘いは、15年10月の京大反戦バリストへと結実したが、これは決定的な地平を切り開くと同時に、その限界性と課題を全学連に突き付けることとなった。それは新自由主義下で全学学生自治会を学生の権力機関として、いかに建設するかという課題であった。その大きな課題の前に悩み苦しんだが、学生自治会とは何か、あるいは新自由主義とは何かを対象化し、歴史的な議論を踏まえ、実践を通して検証することで、突破の方向性を見出しつつある。

処分撤回で団結を

第四に、新自由主義大学との攻防で普遍的テーマとなる「処分攻防をいかに闘うか」を改めて重要課題として確認したことである。
京大では昨年12月、3学生の処分撤回を結集軸にして様々な潮流が合流するキャンパス集会が打ち抜かれた。そこには全学自治会再建の萌芽が確かに宿っていた。しかし処分撤回という大きな課題には様々な困難があることもまた事実だ。ここを乗り越えるためには全学的・全社会的なつながりと、身近な仲間との団結の両方が必要である。
10月から始まる湊(みなと)長博総長体制の下で京大当局と学生の対立は激しさを増すだろう。「決起した仲間と団結し、弾圧に対して全力で支えぬく。そうした陣形を学内外に強固に作り上げていこう。全学連は京大生と連帯してともに闘い、新自由主義大学の中に処分撤回を勝ち取る全学学生自治会を建設するという前代未聞の挑戦を支え抜こう」(大会議案)
京大を先頭に第2期学生自治会再建運動へ、全国学生は勇躍飛び出そう!

大会参加者の声

全国に根を張ろう
東京の学生

全国の「第2期自治会再建運動」ということが執行部の皆さんから提起されましたが、全国にこれから学生自治会をつくっていく。しかもそれは全クラスとか、全学部やゼミという単位にちゃんと分け入っていく。そのために中心的な人たちだけではなくて、全部に根を張っていく方針が提起されました。このことがすごく重要だと思います。そしてそれを根底で支えるものとして京大の処分撤回闘争があり、この勝利なくして全国の学生運動、自治会再建運動の第一歩の勝利も望めないんだということも強く確認されたと思います。
これから京大を軸に全国で頑張っていきたいと思います。

全学自治会再建へ
京都大学の学生

前々から全学連の人たちとは「全学自治会が必要だよね」といったことを話してきたんですけど、なかなかそのビジョンが明確じゃないなと正直思っていました。だけどそれが全学連大会で一つ、理論と実践と合わせて明確になってきているかなと感じました。
これを機に、全学自治会をもっと学生一人一人に根差して再建していく闘いをこれからやりたいと思います。その先に、いま処分されている学生と団結して不当処分を撤回させていく闘いが重要になってくると思うので、僕も頑張っていきたいと思います。

本音で議論できた
初参加の関東の学生

全学連大会に参加するのは初めてだったんですが、想像以上に発言しやすい場だなと感じました。
形式的に提起された議事を承認する場であるというイメージを勝手に漠然ともっていたんですが、実際に参加してみると、議案を熟読して討論して、時には自ら違う話題を提起して、そういう中で合意形成を図っていける場であったことが確認できてよかったと思います。
夜の交流会でも、コロナ情勢の中でなかなか難しいところはありましたが、非常に活発な議論、本音と本音のぶつかり合いができてよかったと思います。

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