高山俊吉弁護士の1/29杉並区議選決起集会での講演
「絶対反戦」を広げる選挙戦に
講演 「抑止力」は必要か――
「反撃能力」という名の大軍拡
戦争は事実上の戦端が開かれた。多くの人々に一刻も早く伝え、反戦の闘いを広げることが課題です。
絶対反戦。「絶対」とは「例外のない」ということです。近代の戦争の性質は資本主義の到達点に由来する。だから資本主義に疑問をもつ者は戦争にすべて反対するところに立脚しないといけない。しかし軍事費2倍化反対と言いながら、戦争を論じない「左翼」勢力もいる。「世界は戦争することはできない状況だから、軍備は無駄遣い」という立論だ。これは必要な戦争は行うということだ。絶対反対とは、ロシアもNATO・アメリカも戦争はするな、そして自国は戦争するなと言えるかどうかで試される。その時に戦争絶対反対が初めて生まれる。
私たちは、「抑止力が必要ではないか」という議論にぶつかる。しかし、抑止を口実に戦争が行われることを思い起こさなければならない。満州事変、太平洋戦争も自存自衛、抑止のための戦争だと最初から最後まで言っていた。「専守防衛」という言葉も本当に危険です。日本共産党から政府まであらゆる人々が言うが、戦争を許すということだ。本当に防衛のための戦争があるか。防衛と称して攻撃する。歴史の真実だ。
さて反撃能力です。敵基地攻撃能力を岸田はごまかして反撃能力と言った。先に手を出したのがどちらかと議論を分ける善玉・悪玉論の欺まん、うそを徹底的に爆砕しないといけない。これは大軍拡と戦端の開始を覆い隠す敵の論理だ。
巨額の歳出にわれわれは耐えられるかという議論も行われている。5年で軍事費43兆円。民生に回せという議論だけでは弱い。国の歳出は岸田や財務大臣などと一緒に考える問題ではない。それはやつらの財政論。43兆円は軍事産業がしこたま自分の金庫に入れる金です。「歳出」は軍事産業に「入る」金。「歳入」はみなさんが「出す」金。「入」と「出」がひっくり返っている。私たちが権力の立場に立たされている。これを逆転させよう。巨額の歳出は巨万の収益だというのが闘う財政論です。
ウクライナ戦争を見間違えてはいけません。アメリカとNATOはロシアをとことん追い詰め、ロシアはとことん反撃するでしょう。一刻も早くやめさせ、戦争で利得を獲得しようというそれぞれの資本家と権力にノーを突きつけよう。
さて近代戦争の法則性をつかんでおきたい。資本主義は結局戦争に進む。帝国の戦争の時代、どの国の民衆も祖国のために死ぬことを選択させられた。その中から「労働者に国境はない」という言葉が登場した。今、その声を大きく上げる時が来ている。
闘いの勝利性ということを最後に申し上げたい。洞口さんの選挙は世界戦争を阻止する闘いです。右翼の出現は真実を突く私たちにおびえる権力のあり様だ。私は荻窪駅頭でみなさんのスピーチを聞かせてもらいました。一人ひとりの言葉でのびのびと語っていた。そこに私は勝機を感じた。杉並の闘いが燎原(りょうげん)の火のように広がる日が来ることを期待します。ともに闘いましょう。
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