獄死を強いた国家犯罪だ 星野国賠訴訟で国側を追及
10月3日、東京地裁民事第14部(村主隆行裁判長)において星野国賠訴訟の第22回口頭弁論が開かれた。ここで、12月27日までに原告・被告(国)双方が最終準備書面を提出し、来年1月23日に最後の口頭弁論が開かれることが決まった。
徳島刑務所は2019年3月1日の腹部エコー検査によって肝臓に巨大な腫瘤(しゅりゅう)があるのを発見しながら、星野文昭さん本人に告知せず、四国地方更生保護委員会へも通知しなかった。これが国家賠償法に定める違法行為に当たるという原告側の追及に対して、被告側は「外医調整を行い、高松矯正管区と協議して東日本成人矯正医療センターへの移送を決定した」と主張してきた。そのことを記した文書を提出せよという原告側の追及に対して、今回、被告側は「文書はない」と言ってきた。
岩井信弁護士が発言に立ち、「文書主義の日本の役所が何の記録も残さないことはあり得ない。被告の主張は虚偽である」と怒りを込めて弾劾した。被告の主張を裏付ける証拠は何もないことが明白になった。徳島刑務所は巨大な肝臓がんをかかえる星野さんを放置し続け、手術までの3カ月もの間、何もしなかったのだ。そのために星野さんは獄死を強いられた。許しがたい国家犯罪である。
この後、保留になっていた証人請求の採否が行われた。医師意見書を提出した柳澤裕子医師、当時の徳島刑務所長、医療センターの医療部長の証人請求はいずれも採用されないことになった。村主裁判長は「これまでの証言などで事実は明白になっている」と説明した。
闘いはいよいよ最終局面に入った。来年3月には判決を迎えると思われる。獄中の星野文昭さんを殺した国家犯罪を明らかにするためには、法廷を包む巨大な闘いが不可欠だ。さらに闘いを強めよう。
開廷前の宣伝活動から終了後の報告会、法務省弾劾デモまで、40人の参加者は意気高く全力で闘い抜いた。
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