パレスチナと連帯を 広島 板垣雄三さんを招き集会
11月17日「パレスチナと連帯する広島集会」を開催し、日本においてパレスチナ問題を第一人者的に研究・発信されてきた板垣雄三(東京大・東京経済大名誉教授)さんの講演を頂いた。この講演は、板垣さんが8・6ヒロシマ暴処法弾圧抗議声明に連名してくださったことから実現した。
板垣さんは冒頭、かつてのオイルショック過程などと異なり、昨年の10・7パレスチナ蜂起以降世界的に中東に対する関心がかつてなく高まっていること、その一方で米大統領選でのトランプ勝利をうけ、トランプ政権の閣僚候補全員がイスラエル側だが、パレスチナ人民の抹殺などできない中、ますます混迷していく時代に突入し、我々の覚悟が問われていると提起された。
そのなかで、パレスチナ連帯を闘う上での基本的視座として、シオニズムへの歴史的批判が展開された。まずユダヤ人は宗教的も政治的にも人種的にも多様なルーツを持ち、「自分の国を持とう」などというシオニズムは、ユダヤ教本来の「国は人がつくるものではない」という考えにも反しており、ユダヤ教から出てきたものではないことを展開。イスラエル「建国」も、帝国主義とシオニズムが結託して既成事実化しながら進められてきたもので、ユダヤ人迫害をイスラエル建国の礎に置いてきたグロテスクさを浮き彫りにし、「反イスラエル=反ユダヤ主義」の欺瞞(ぎまん)を歴史的に明らかにした。
そして、ホロコースト=ナチスのユダヤ人虐殺だけではないこと、そのように帝国主義者が描き出すことで、世界中で帝国主義によるホロコーストが繰り返されてきたことが隠蔽(いんぺい)されていることの暴露・弾劾とともに、何よりアジアで度し難いホロコーストをやってきたのが日本帝国主義だと指弾。日本においてパレスチナ連帯を闘うには、沖縄・アイヌ民族・在日朝鮮人民への差別・排外主義、自国帝国主義の植民地主義・人種主義・軍国主義と闘うこと抜きにはありえないと喝破された。
質疑応答ではパレスチナ連帯を闘う上で何が必要かについて複数の質問が板垣さんに寄せられた。そのなかで8・6弾圧について、「これはイスラエルがやっている裁判もなしの行政拘禁と同じかそれ以上のものでパレスチナ問題と深く結びついたもの」「暴処法は国民主権と相容れず、人権侵害に他ならない」と、パレスチナ解放の闘いと8・6暴処法弾圧との闘いが一体であることが鮮明に提起された。
講演会後、板垣さんがデモ出発の挨拶を行いデモへ。拘置所前を通って5人を激励し、繁華街ではデモに手を振る人も相次いだ。パレスチナ連帯と暴処法弾圧との闘いが一つの闘いだということへの確信が高まり、より生き生きとしたデモとなった。パレスチナ連帯もかけて5人の年内奪還を! 次は12・6地裁包囲行動へ!(広島大学学生自治会・森田寛隆)
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