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ウィシュマさん虐殺の責任を追及/8・18法務省に抗議行動

ウィシュマさん

法務省正門前、怒りの声が響く。「私たちは、ウィシュマさんに関する『最終報告書』を絶対に認めることはできません! 入管の再発防止策の第一は、『全職員の意識改革』であり、『医療体制の強化』だ。根本問題は、入管の全件収容主義であり、長期収容や医療放棄も帰国を強制する手段にしていることだ。このままでは第二、第三のウィシュマさんが殺される! 上川陽子法務大臣、佐々木聖子入管庁長官は責任を取って即刻辞任せよ!」
8月18日、牛久入管収容所問題を考える会、外登法・入管法と民族差別を撃つ全国実行委員会の呼びかけで法務省に対する緊急行動が闘われた。牛久の会が次のような抗議文を読み上げた。

「『人の命を預かる行政機関としての緊張感や心のこめ方が不十分だった』として名古屋入管局長、次長を訓告、警備管理官ら2人を厳重注意処分としました。人一人の命を奪っておいてこの責任の取り方はあるのか? …オリンピックのために外国人対策として長期収容を強制し、今また廃案になった『入管法改正案』の次期国会再上程をあけすけに語る上川法務大臣、佐々木長官はまず一番先に辞職すべきです」

このように弾劾し、今も衰弱し苦しんでいる被収容者がいると指摘し、全被収容者を直ちに解放せよと訴えた。
抗議文の受け取りも拒否した法務省・入管庁に対し「ウィシュマさんを殺したのは入管だ!」「真相究明・責任者処罰まで闘うぞ!」と、怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。

上川法相、佐々木入管庁長官は即刻辞任せよ! 法務省正門前でウィシュマさん虐殺の責任を追及(8月18日 東京・霞が関)

◆真実は闇の中だ!
名古屋入管収容施設でスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん(33)が3月6日に亡くなってから5カ月が過ぎた8月10日、公表された最終報告書は、96㌻に及ぶものだが死因さえ特定されていない。「病死であるが、複数の要因が影響した可能性があり、具体的機序の特定は困難」というのが結論だ。20㌔もの体重減少、脱水、栄養不足が続く中、2月15日の尿検査では蛋白質、ケトン体の数値が異常だったが再検査も行わず、精神科の受診を決める。精神科受診後は、ウィシュマさんがぐったりしているのは薬が効いているのだと放置。6日は朝から声をかけても反応がなく、血圧も脈拍も測定できなかったが、測定表には「脱力して測定できず」と記載。ここに至っても救急対応を行わず、見殺しにしたのだ。この最終報告書を見た医師は、「これは病死などではない。入管による虐待死だ」と怒りもあらわに語っている。
単独室のウィシュマさんを2月22日から3月6日まで13日間撮影したビデオについて、法務省は開示を拒んできたが、その一部2時間分が編集されて8月12日、遺族のみに開示された。遺族代理人の立ち合いも認めず、過酷な映像に遺族が堪えられなくなったため、1時間10分で中断。外に出てきた妹のワヨミさんは声を限りに訴えた。
「姉は動物のように扱われ、殺されました。このビデオをすべての外国人は見るべきだ。明日はあなたかも知れない」
さらに8月17日、遺族と遺族代理人が記者会見を行い、開示請求した公文書が真っ黒に塗りつぶされたことを明らかにした。看守勤務日誌や被収容者面会簿、診療結果報告書など1万5113枚の黒塗りの書類が段ボール3箱分、手数料15万6760円が真っ黒!
指宿昭一弁護士は「すべてを隠す秘密主義、この真っ黒な紙は入管の闇を表わしている」と断定し、ワヨミさんは「黒く塗られた書類を見ると、隠したいことはすべてここにあり、入管が姉を殺したのは明らかだ」と怒りを語った。
ウィシュマさん虐殺は、新自由主義が引き起こした非人間的虐殺だ。2007年以降だけでもすでに17人が入管に殺されている。「外国人は煮て食おうと焼いて食おうと自由」という差別・排外主義をテコに改憲・戦争で生き延びようとあがいているのが菅政権だ。ウィシュマさんを虐殺した入管法・入管体制を解体する闘いは、階級的労働運動の決定的課題だ。世界は革命情勢だ。労働者の国際連帯で歴史を変えよう!

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