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韓国 貨物連帯のスト、釜山港の機能を完全にストップ

 6月13日から始まった全国運輸産業労組・貨物連帯のストは、韓国最大の貨物港である釜山港をはじめ、全港湾を機能停止に追い込んでいる。とりわけ釜山港では、スト3日目に入った15日、主なコンテナ埠頭の野積み率が100%を突破し、完全な飽和状態となった。野積み率100%とは、埠頭に積み上げられたまま滞留しているコンテナがもうこれ以上積み上げることのできない限界状態に達していることを示す。貨物連帯に所属していないものも含めて全国で1万5000台を超えるトラックが輸送拒否に突入し、物流機能は完全に崩壊した。全国の港湾と内陸コンテナ基地の貨物処理量は通常の20%台に急落、16日には10%台に落ち込んだ。
 写真は釜山南区北港周辺をデモする貨物連帯組合員。後ろには山積みになったコンテナ(6月15日)(写真集へ)

 貨物連帯のストには、非組合員も多数参加している。ハンギョレ新聞によれば、全羅南道クァンヤン港では非組合員527人中496人がストに参加。その一人は「組合員ではないが、今回は貨物連帯の主張に100%共感し、運送を中止した」と語った。今月に入って、全国で1300人のトラック運転手が貨物連帯に新たに加入している。
 様々な中間搾取の結果、運転手が受け取る金は荷主が支払った運送代金の60?70%しかないという仕組みの中で、燃料費の高騰がトラック労働者の生活を直撃している。ピョンテク?イワン間の貨物運送料金19万ウォンのうち、運転手が受け取るのは13万ウォン。そこから燃料費8万3470ウォンとタイヤ・整備費・保険料などの諸経費3万6千ウォンを差し引くと、運転手の純収入は実際には2930ウォンしか残らない。燃料費は06年からの2年間に2倍近くに高騰し、値上がり分がそのままトラック労働者の負担となり、純収入を06年の10分の1以下に激減させた。今回のストは文字どおり「生存権をかけたスト」として爆発しているのだ。
 このストに、多くの労働者・市民の熱い激励と支持が集まっているのもこれまでにない現象だ。ネット上では貨物連帯の掲示板に3日間で1000通を超える支持のメールが寄せられた。「これまでは貨物連帯の皆さんの苦労など考えたこともなかったが、(事実を知って)本当に胸が痛んだ」と。貨物連帯にカンパを送りたいという電話もひっきりなしにかかっている。

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