ベルリンでドイツの戦闘的左翼とパレスチナ人が連帯デモ
すでに報道したように1月10日、イスラエルのガザ侵略抗議のデモが世界で一斉に闘われた。ドイツでは全土で4万人が決起した。最大はドイツ西部・ルール地方のデュースブルクで1万人、二番目は首都ベルリンで8500人の参加だ。ベルリンではその日、90年前の1月15日に社会民主党の国防相ノスケとその配下の右翼義勇軍によって虐殺されたドイツ共産党の創始者ローザ・ルクセンブルクとカール・リープクネヒトを偲ぶ集会も行われた。ベルリン在住のパレスチナ人らは大挙してこの集会にも参加し、またドイツの左翼もパレスチナ人と一緒にイスラエル抗議デモを行い、両者の連帯が深まった。
反対にきわめて反動的な姿を露呈したのが、社民党(SPD)とともにベルリン州政府の与党を形成している左翼党(旧東独の支配政党でスターリン主義の社会主義統一党の後身)だった。翌1月11日には、ベルリンユダヤ人協会の主催でイスラエル支持の集会がおこなわれたが、社民党やキリスト教民主同盟(CDU)、自民党(FDP)、緑の党とならんで左翼党の州の代表者もそれに参加したのである。そして、「イスラエルの居住地区へのロケット弾の発射は何物によっても正当化されません。市民を人質に取るのは現代戦の本質ですが、これをハマスは非対称戦争において戦略的に追求しているのです。もし原理主義者たちが、カッサム・ロケットより射程距離が長く命中精度の高いロケットを手にしたら一体どういうことになるのでしょうか」などと発言している。
アメリカから最先端の武器を豊富に供給されて凶暴な侵略戦争を凶行するイスラエルを非難せず、これにたいして手づくりのロケット弾でささやかな抵抗をするパレスチナ人を非難するとは! もともと1948年のイスラエル「建国」はアメリカ帝国主義によって推進され、これにソ連スターリン主義が積極的に承認を与えることで成立した。そのスターリン主義の犯罪性を引き継いでいるのがドイツの左翼党だ。左翼党は、このかんのベルリン労働者階級の賃上げや労働条件の改善を求める闘いに対しても、ブルジョアジーとドイツ連邦政府の意を体してきわめて抑圧的に臨んでいる。社民党・左翼党など体制内左翼の反動性が日に日に明らかになる中、ドイツの戦闘的左翼は国際連帯を深めながら09年の新たな闘いに決起している。(と)
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