現代車工場占拠スト11日目/「この案はゴミだ。廃棄しよう!」
11月25日午後1時半、現代車蔚山(ウルサン)非正規職支会2工場、3工場、4工場組合員らとシート、2工場解雇者など400人余りは市内の勤労者福祉会館に集まって、現代車との「特別交渉」に関する賛否討論を行い、「この案はゴミだ」と叫んで配布された「案文」を破り捨てた(写真)。さらに第1工場占拠闘争に力を集中するための現場ストライキを決議した。
「特別交渉」案とは、24日にパクユギ金属労組委員長、イギョンフン現代車支部長、現代車非正規職3支会長が集まった会議で、長時間の議論の末に集約されたものだ。これに先立ち、現代車支部執行部は「ストの長期化を避け、労使の深刻な対立を防ぐための仲裁案」なるものを提起していた。
イサンス蔚山支会長は「交渉開始の前提条件として工場占拠を解くことは絶対にしない」と明言し、非正規3支会は24日の集約案をそれぞれ現場に持ち帰り、組合員と討論して決めることになっていた。
交渉議題は、ドンソン企業廃業でストライキが触発されたことを踏まえ、①座り込み場の非正規職支会に対する告訴・告発、損害賠償、治療費などを解決すること②座り込み者の雇用保障③非正規職支会指導部の社内での身辺保障④不法派遣交渉に対する対策などとなっている。
シート1部のキムウンヒョ組合員は「ドンソン企業の話が出ているので立場を明らかにする。この案はシートが闘った趣旨と違う。私たちはまた下請け業者に入って仕事をするために闘っているのではない。この案はゴミだ。私たちは絶対正規職化されない限り受け入れることはできない」と訴えた。
キムウンヒョ組合員らの発言に対し「廃棄しよう。破ってしまおう」という声があちこちから上がった。第2工場の組合員は「こういうものを受け入れようと座り込みをしたのか? 第1工場の拠点ストライキを最後まで死守し、良い結果を出そう。殴られて引きずられて行ったドンソン企業の同志たち、私たちのために焼身したファニナ同志が愚かなのか? この案を議論すること自体が必要ない」と批判した。第3工場組合員も「正規職化をかちとるために闘争しているのに、こんな案は受け入れない」と断じた。さらに2工場、3工場、4工場など次つぎに組合員が発言。「全国の非正規職労働者らが私たちを注目している。一歩退けば崖っぷちだ」「第1工場拠点ストにはご飯一食よりラインを止めることがより一層力になる」「正規職の名札を受けとる時まで占拠座り込み維持しなければならない。合意書の文句は『不法派遣撤廃正規職化』の一単語だけしか必要ない」
塗装部女性組合員も「定年まで残り少なかったが、子どものような同志も多い。子どもは必ず正規職で仕事をするようにさせよう。動揺せずに最後まで闘って第1工場の同志たちに力を与えよう」と訴えた。他の女性組合員は「家族対策委の手紙を見たら『水がなければおしっこでも飲んで持ちこたえろ』と書いてあった。このように家族らも闘っているのに、この案はお話にならない。最後まで闘ってみよう」と話した。
討論を終わらせた組合員たちは配布された案文を破り捨てながら、新しい現場ストライキ、生産打撃闘争を決議した。
この討議に先だって行われた組合員教育のための学習会では「ストライキ闘争の戦略と戦術」のテーマで双龍(サンヨン)車支部のイヨンホ整理解雇特別委員長が双龍車争議の経験を話し、「私たちに力がある場合に交渉も実現する。一歩退けばずっと退くほかはない。私たちに力があれば損賠仮差し押さえ、懲戒、告訴・告発など突破することができる」と強調した。77日間の工場占拠ストライキ闘争の当事者の話は組合員らに勇気を与えるものだった。(M)
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