スペインのサラゴサで労働者3万5千人が解雇反対のデモ
1月18日、スペイン西北部の地方都市サラゴサで、GM系オペル工場の労働者を中心に大規模なデモが闘われた(写真)。人口68万人の同市を揺るがす実に3万5000人のデモである。デモのテーマは「恐慌の今こそ雇用と社会保障を!」だ。スペインの二つのナショナルセンター、UGT(労働者総同盟)とCCOO(労働者委員会)の呼びかけでおこなわれた。
労働者たちは、「協約を結ばないなら、スト、スト、スト!」あるいは「レイオフ、ノー、ノー、ノー!」のコールで力強く行進した。同市の近くにあるGMオペルのフィゲルエラス工場からは2000人の労働者が参加した。この工場では、GM本体の危機の結果として同工場の7500人の労働者全員をレイオフする攻撃が加えられており、そのため労働者たちは昨年12月から繰り返し集会とデモを闘っている。
1月22日にブリュッセルで発表された数字によれば、ヨーロッパにおける08年の新車登録台数は、前年比で7・8%減となっている。とくに最近の落ち込みは激しく、08年10~12月と前年同期を比べれば19・3%減だ。国別に見ると、アイスランド、ラトビア、スペインの順でそれぞれ前年比43%減、40・9%減、28%減で最悪だ。そして、まさにそれらの国でこそデモと暴動が吹き荒れている。また企業別で見ると、GMがヨーロッパで市場占有率を著しく失う結果になっている。1月26日にはGMやIBM、キャタピラーなど、アメリカ資本がたった1日で7万5000人の解雇を発表した。
このように、現代帝国主義の基軸産業=自動車産業の危機が交差している国こそスペインだ。そのスペインで世界恐慌に立ち向かって闘う分厚い労働者の隊列が登場した。昨秋のドイツ自動車産業労働者の波状ストに続く重大な階級動向だ。(せ)
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