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韓国・大田で全国労働者民衆大会が闘われる

 韓国中部の大田(テジョン)で5月16日、貨物連帯(全国運輸産業労組貨物連帯)の総会が行われ、続いて全国労働者民衆大会が開かれた。結集した全約2万人の労働者は、集会後、警察と激しくぶつかり、イミョンバク政権と資本に対する怒りを炸裂させた。この日、貨物連帯の総会に集まった全12支部、1万5千人の組合員は、契約解除された大韓通運宅配ドライバーの原職復帰、運送料削減の撤回、貨物連帯を労組としての承認と労働3権の保障、運送料削減中断などを要求し、ゼネストを決議した。


 宅配便を初めとするトラック運転手は、「個人請負」を理由に労働3権が認められない中、劣悪な労働条件を強いられている。現在韓国ではこの問題が、「特殊雇用職の労働権保障問題」として、非正規職雇用問題と並んで労働運動の一大焦点となっている。こうした中、大韓通運光州支社の仕事を請け負っていたトラック労働者78名が、3月17日に携帯メール1本で集団解雇される事態が発生し、これとの闘いの過程で貨物連帯光州支部のパクチョンテ支会長が、5日間の失踪後、大韓通運大田支社前で自ら命を絶つという事態となった。
 パク支会長が残した遺書には、「私の死が世の中を変えるとは思っていません。最低限、貨物連帯の組織が崩れないということ、力のない労働者が路頭に放り出されて43日になるのに、何の力も出せないようではだめだという切迫した心情で訴えるために選択したのです」と書かれてあった。
 パク支会長を死に追い込んだ張本人は、大恐慌を労働者への犠牲転嫁で乗り切ろうとする大資本だ。大韓通運を昨年買収した錦湖(クムホ)グループは、アシアナ航空をはじめ、化学、建設、運送など約120の系列会社を持つ大資本で、大韓通運の買収によって物流運送業界1位にのしあがった。大韓通運を4兆ウォンで買収した琴湖資本は、今年3月には早くも3兆ウォン以上を回収している。運送料30ウォン値上げの合意すら渋って反故にし、搾取を極限まで強めた結果だ。
 今回の2万人の大結集は、こうした資本と政権に対する怒りが、全労働者の怒りとなって爆発したものだ。この日の総会でパクジョンテ支会長の妻は、「今日はうっぷんを晴らしにきたのでなく、貨物連帯のストライキを決める場です。皆さんができる唯一の道である全面ストライキで勝利してください」と訴えた。総会に続く全国労働者集会では、民主労総のイムソンギュ委員長が、6月5日に予定されていたゼネストの日程を繰り上げる方針を発表し、圧倒的な拍手で迎えられた。一方、鉄道労組、建設労組、貨物連帯など運輸労組が共同闘争を宣言し、建設労組も、規定のスト方針をこの闘いに結合する方針を表明した。
 集会後、参加者は、パク支会長の遺体が安置されている大田中央病院を通り、大韓通運に向かってデモ行進を行い、一部参加者が警察の阻止線を突破して大韓通運の前で糾弾集会を行った。一方、デモ解散の過程で警察が参加者に襲いかかり、457人を連行し、宣伝カー12台が押収され、負傷者も多数出るなど激しい戦闘となった。
 今回の闘いに参加した民主労総の仲間は、「久しぶりに手に竹竿を持ち、暴力をふるう警察兵力を粉砕した。警察発表で見ても、警察の犠牲のほうが大きく、車両99台が破損したとのこと、本当にいい気分です。しかしわれわれの闘いはこれで終わりません」と高揚感を伝えている。今回の闘いは、5~6月民主労総総決起の一大号砲となった。(H)
全国労働者民衆大会のビデオはこちら

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