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日系王子製紙の汚染水排水計画に抗議し、中国で数万人が大決起

s20120728c-1.jpg 7月28日、中国・江蘇省南通市啓東市で、日系王子製紙の工場から出る有害な排水を海に流すための排水管の建設に反対し、数万人の労働者、学生、住民の大暴動が爆発した。
 この排水管が流す汚染水の量は一日あたり15万トンとされている。地元の啓東呂四港は中国4大漁港の一つと言われているほどの良港だが、この膨大な汚染水によって海が汚され、この豊かな漁場は確実に破壊されてしまう。しかも排水場所の対岸は上海であり、上海の環境にも大きな影響を与える。このことを知った住民たちは、6月以来、啓東市政府への抗議行動を連日のように行ってきたが、市政府は住民の訴えを無視して建設を強行しようとしていた。 

s20120728c-2.jpg これに対して住民たちは「全市民に告げる書」を発表し、7月28日から30日までの連続デモを提起し、全住民の参加を次のように公然と訴えた。
 「市民の皆さん、仲間の皆さん! 南通開発区にある『日本王子製紙』は、直径1・6メートルの2本の汚染水の排水管をつくろうとしている。南通開発区のすべての工場の有害な汚染水が啓東沿海に排水されようとしている。その一日の排水量は、15万トンに達する! 啓東の環境はすでに劣悪なのに、これ以上になれば危険極まりない」「今日、汚染を防ぐために立ち上がらなければ、明日は汚染されて立ち上がることができなくなる。啓東市民、団結しよう! 汚染を防ぐ大軍に参加しよう! われわれは一切の犠牲を惜しまず、故郷を死守しよう! 2012年7月28日、29日、30日、午前6時30分、永安広場に集まろう!」
 この声明に驚いた市政府は、職場やネット、メールなどを通じて労働者がこのデモに参加しないように住民に通達を出した。また学校などを通じて、学生をも規制しようとした。しかしこの市政府のやり方s20120728c-3.jpgは、逆に住民の怒りに火をつける結果となった。28日早朝、集まった労働者、学生は市政府に向かって大挙してデモで進んだ。大量の警察隊が動員され、労働者、学生と激突したが、数万の市民の隊列は警察隊を包囲し、蹴散らして市政府に突入、そこを占拠した。この事態に動揺した市政府は、午前中に工事の永久中止を決定し、それを公表した。啓東住民の闘いは、勝利のうちに終わった。
 中国版ツィッター(ウエィポ)では、この啓東の事件の写真とともに、日本の首相官邸前での「福島を返せ」などのプラカードを持った原発再稼動に反対する人々の写真を載せて投稿している記事もある。中国では今、シーファン市での銅モリブデン重金属工場建設に反対する闘いなど(既報)、環境汚染に反対し、「生きる権利」を求めて多くの労働者や学生が次々と立ち上がっている。これらの闘いはまさに福島の住民たちの闘いとつながるものであり、首相官邸前や7・16集会の爆発と一体であり、明らかにその影響を受けている。職場での闘いとともに、資本と国家権力による環境破壊、労働者の生存権の破壊に対する闘いが中国でも爆発している。それは「生きるため」の闘いであり、労働者の階級性と一体であり、革命につながり発展していく行動そのものだ。反原発闘争、非正規雇用撤廃、外注化阻止の闘いを猛然と進め、中国の労働者との団結をかちとり、情勢の一層の激動化をともに推進していこう!(G) 

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