中国・四川省成都の富士康で1000人の騒乱
6月7日夜9時半から11時、APPLE社の生産受託企業である富士康の四川省成都市の工場宿舎で、賃金や労働条件、宿舎の管理への不満から1000人の労働者が騒乱を起こした。
窃盗事件を調査する目的で宿舎に入った管理員と2人の警備員の対応がひどく、これに労働者は抗議、次第に工場への不満となって争議は拡大し、1000人の労働者が合流した。労働者は宿舎の階からゴミ箱や洗面器、ビール瓶などを投擲し、一部施設を破壊し、さらには大型の爆竹を鳴らして徹底的に抗議した。
100人以上の武装警官が動員され、補助警察官や警備員とともに労働者の進撃を止めようとして、建物内で2度にわたって労働者と警察隊は激突した。「建物に登って、暴乱分子を逮捕しろ! 非常に愉快だ!」と一人の警備員は叫んだという。多数の負傷者が出て、十数人が逮捕されたという。
この騒乱の起きた四川省の富士康工場は、去年5月に爆発事故を起こし多数の死傷者を出した工場である(『国際労働運動』本年4月号参照)。国際的な批判の中で、富士康では賃上げが行われたとも宣伝されている。だがある富士康の労働者は、「誰が4000元(約5万2000円)もの賃金が富士康の一般労働者に出ていると言っているのか? 現在最も高い基本給が1800元だというのもお話に過ぎない。月80時間もの残業をしたとすれば、残業代を含めてやっと3200元くらいになるが、保険代や工場宿舎代、食事代などが差し引かれて、結局は1700元(2万2000円)くらいしか残らない。ここは物価も高い。これが会社の言う、4000元の意味だ」と、言っている。
爆発事件まで起こす工場の殺人的な労働環境、低賃金、非人間的な宿舎の管理に対する労働者の怒りが暴動となって爆発したのである。またほとんどの労働者は農民工であり、非正規労働者であり、そうした非正規労働者への差別待遇への怒りが根底にある。
台湾企業である富士康は、APPLEなど世界の大企業からの注文を受託して中国国内(大陸)で生産を行っている。帝国主義資本は今、世界的な外注化による生産を構造化させており、外注化生産を受託する企業としての富士康は、この構造の中で中国の労働者を徹底的に非正規労働者として異常な労働環境の中で搾取し、膨大な利潤をあげているのである。
まさに「外注化」との闘い、「非正規雇用」との闘いは、中国を含めた世界の労働者階級の闘いであり、国際連帯闘争を貫いて、資本主義体制を転覆し、帝国主義とスターリン主義を打倒していく核心をなしている。
6・10集会を成功させ、中国の労働者を含めた国産連帯闘争の発展をかちとっていこう!(G)
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