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香港非正規港湾労働者の不屈のストライキが30日を突破

s20130501b-1.jpg 3月28日より始まった香港のコンテナ部門を中心とする非正規港湾労働者のストライキは、3月26日で30日を超え、現在も不屈に闘われている。このストライキは一日あたり500万香港ドル(約6300万円)の損失を資本に強制しているとされ、それがすでに30日以上になったのだ。
 7日の5千人の大デモ(既報)以降、連日のストライキを闘いながら、17日には再び香港の港湾を牛耳る最大のブルジョアジーである李嘉誠の拠点・長江実業グループ本部へのデモを貫徹し、19日にも本部包囲の集会を2千人で開催した。さらに23日には本部と李嘉誠の豪邸に向けたデモを貫徹した。そしてデモ終了後、午後3時より港湾労働者の組合大会を開催、スト30日目にあたる26日に本部前での抗議集会開催を決定した。 

s20130501b-2.jpg 翌24日、労働者の代表は長江実業グループ本部ビルの7階にある事務室に突入し、要求書を受け取らせるとともに、ビルの入り口にテントを立て、のぼりや横断幕を出して占拠闘争に入った。労働者が本部ビルの入り口を占拠し、連日24時間抗議していることに恐怖した長江実業グループは、25日、ビル内に労働者が入ることを禁止する命令を裁判所に要請した。しかし労働者の怒りを恐れた裁判所は、この命令を出すことを拒否。「入り口をふさいでいる労働者を追い出すことはできない」とした。こうしてストライキ30日目の26日、数千人の労働者、支持者たちは長江実業グループ本部ビルを包囲して抗議集会を開催し、23%の賃上げと労働条件の改善を要求し、李資本を徹底的に弾劾したのである。
 この本部ビル前での占拠抗議行動は今も続いている。さらに労働者と支援は香港の繁華街で李資本の商品の不買運動を呼びかけており、多くの市民の共感を得ているといわれている。
 香港の港湾労働者、とりわけコンテナ労働者のほとんどが非正規であり、一日12時間労働、あるいは24時間労働である。しかし24時間労働をしても日給は1300香港ドル(1万6千円)であり、週の労働時間は70時間から80時間。この15年間、賃金は増えないどころか、96年の1480香港ドル(24時間労働で)から下がっており、年収で20万香港ドル(約250万円)。労働条件も劣悪で、食事やトイレも自由に行けない上、危険な仕事であるのに安全はほとんど考慮されていない。香港には8時間労働制も残業手当の制度もないが、この現実が非正規労働者に激しく襲いかかっている。また香港経済は低迷を続け、かつて世界最大のコンテナ輸出量をほこっていたが、今や上海やシンガポールに追い抜かれ、今年はさらに深センに追い抜かれようとしている。この香港経済の危機も、攻撃の背景にある。こうした現実への非正規労働者の怒りが、30日を超える不屈のストライキとなって爆発しているのだ。
s20130501b-3.jpg すでにコンテナ労働者170人が解雇されたと言われているが、労働者たちは屈せずストライキを継続している。大学生(大陸を含む)が支援に駆けつけ、東南アジアの出稼ぎ労働者がデモをともに闘っている。これまでに集まったカンパは600万香港ドル(約7560万円)を超えた。
 そして重要なことは、集会でインターナショナルが唱われていることに示されているように、彼らが真っ向から「おなじ一つの海の港湾労働者は団結しよう!」と国際連帯を訴えて闘っていることである。この港湾労働者の闘いは、アメリカ、韓国をはじめ全世界の労働者の共感を広げており、非正規労働者の魂を揺さぶり、決起を鼓舞している。
 動労千葉、動労水戸の「外注化阻止・非正規職撤廃」の闘いは、まさに全世界の労働者階級の共通のスローガンと闘いとなっている。この闘いを推進し、全世界の労働者との連帯を勝ち取っていこう!(K)

写真は上から、①26日の長江実業グループ本部ビル前での集会に集まった労働者たち、②李嘉誠の拠点・長江実業グループ本部を占拠し、連日抗議を続ける労働者・支援、③26日の集会
 

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