ドイツ学生の大学占拠闘争で「熱い秋」が始まる
11月17日、ドイツをはじめヨーロッパ諸国で、欧州統一教育改革(ボローニャプロセス)反対、授業料無料化、奨学金の増額などを要求し、学生が全国一斉ストライキと街頭デモに決起した。この日は、学生の「全世界的な行動日」として設定され、ヨーロッパではドイツ、イタリア、フランス、オーストリア、スイス、ポーランド、ハンガリー、セルビア、マケドニアなどで取り組みが行われた。そのほか、カリフォルニアをはじめとするアメリカで、またインドネシア、バングラデッシュ、西アフリカのシエラレオネでも、学生の様々な行動が闘われた。ヨーロッパで闘いの中心になったのはドイツとイタリアだ。(写真は古都アウグスブルクの町を1500人でデモする学生)
ボローニャプロセスとは、資本の「労働市場」に対する要求に合わせて、学修過程と学位の構造をヨーロッパ共通のものにしていこうとするものである。ドイツの場合、6月27日に27万人が参加する大規模な抗議行動が闘われていたが、その後、その闘いは一時沈静化してしまったかに見えた。それに再び火をつけたのは隣国オーストリアでの決起だった。ドイツの学生たちは、隣のオーストリアで10月後半からストが行われ、ウィーン大学の大講堂が占拠された様子をインターネットで知って強烈なインパクトを受け、闘いの狼煙と見て、全国一斉スト開始日以前にストや占拠闘争に次々に決起していった。
ハイデルベルグ大学では、17日に行われたスト前段の学内総決起集会の会場から立ち去らず、そのまま「自然に」教室や講堂に泊り込み、占拠体制に入っていった(17日中に二つの大講堂を約150人の学生が占拠)。18日にはミュンスター大学、19日にはダルムシュタット工科大学でも同様の闘いが闘われていった。ドイツの学生が宣言していた「闘いの『熱い秋』」が現実に始まった。(TS)
写真はブッパータール大学の大教室占拠(11月18日)
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