スペインで24時間ゼネスト、欧州全域でストと大デモ
9月29日、スペイン全土が、2002年以来8年ぶりに24時間ゼネストに突入した。このゼネストは赤字財政解消を掲げる政府の緊縮政策の発表に抗議する闘いとして行われた。この日はヨーロッパの数カ国の首都で、ヨーロッパ労働組合連盟の呼びかけで、各国の緊縮政策に抗議する統一行動を行う日として設定されていた。29日には、スペイン、ベルギー、ギリシャなどでストライキと大デモが行われた。ポルトガル、アイルランド、スロベニア、リトアニアでも抗議行動が行われた。最大のデモはベルギーのブリュッセルで行われた10万人のデモであった。ポルトガルではリスボンで5万人、ポルトで2万人がデモ行進した。
スペインではこの日、ゼネストで全国の空港が機能を停止し、国営のイベリア航空の航空機は35%しか運航できず、民間航空会社もほとんどの航空機の運行を停止した。マドリッド市内のバスもほとんど運休し、高速鉄道は80%が運休、中距離列車は全面運休、都市間交通は25%のみが運行した。日常生活に必要な物資を輸送するトラックも各地でピケ隊によって阻止された。首都マドリッドの街頭ではスト労働者や学生と警察が激しく激突し(写真)、ゴム弾で攻撃する警察部隊に対してバリケードが築かれ、警察車両が燃やされた。
スペインは現在失業率が20%に達しているため、これ以上の緊縮政策は、労働者の生活を完全に破壊しかねない。このため、公務員の賃下げ、年金の凍結、首切りを容易にするための労働法の改悪などを含む緊縮政策をごり押ししようとする社会党政権に対する、激しい怒りが爆発したのだ。ヨーロッパの労働者階級の怒りは、もはや既成労組の制動がきかないところにまで高まっている。(TZ)
写真下はブリュッセルでの10万人デモ
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