福島の怒りと結び、関西労組交流センターが反原発討論集会
8月28日、大阪市の東淀川区民会館において、関西労組交流センターが「労働者の団結ですべての原発を廃炉にしよう 討論集会」を90人を結集して開催した。9・11「すべての原発を廃炉に」全国一斉行動―9・19明治公園集会を前にして、あらためて「反原発の怒りの原点に返り、労働組合・労働者の立場から何をなすべきなのか」を討論する集会としてかちとられた。
集会の冒頭、イギリスのテレビ局が1995年に作成した「隠された被曝労働(原題:原発銀座)」と題する、敦賀湾の原発銀座の15機の原発の点検作業などで働く下請け労働者の労働実態を描いたビデオを上映した。
続いて、この日のメイン企画である「怒りのフクシマ・現地アピール」と題して、福島労組交流センター事務局の遠藤さんの報告を受けた。遠藤さんは、「3月11日からもうすぐ半年。いまだに7万人以上が避難している」と県民が今も不安を抱えながら生活している現実をまず明らかにした上で、事故直後からの闘いを詳しく報告。「重要だったのは、敵を絶対にあいまいにしないで闘い抜くことをはっきりさせたこと。逃げるに逃げられない人たちが膨大にいる中で、その人たちと一緒にどうやって闘うのか。福島に踏みとどまって、この事態とどう向き合うか。敵は東電、政府、帝国主義、新自由主義であるとはっきりさせ、怒りを怒りとして敵にぶつける。そういう闘いをやっていこうという議論をした」「そして、軸に座るのは労働組合だ。今起こっていることに真正面から向き合うことは、社会を根底的にひっくり返すということだ。労働組合が軸に座って闘わなかったらそれは不可能だ。そこを明確にして闘う中で6・19を組織した」
そして、福島の現実に一番向き合っているのは教育労働者であること。福島県教組の決起の背景に職場の膨大な怒りがあり、「その怒りと私たちの行動提起が結びついて、教職員の力でなんとかしていかなければという気運がつくられていった。それが6・19での角田書記長の発言につながった」と総括した。さらに「今、福島で一番何が問われているかというと、『復興イデオロギー』『除染イデオロギー』『収束攻撃』との闘いです。あたかも事故が収束に向かっているように描く。除染をすれば戻ってこれるという幻想をあおりながら、『被災から立ち直って復興していくにはみんなで除染しましょう』と、マスコミもあげて宣伝している。これに対して、私たちは福島の根底的な怒りを世の中全体をひっくり返していく闘いにつなげていくことが問われている」と締めくくった。この提起に会場から大きな拍手が起こった。
事務局提起、教育労働者からの橋下・維新の会「整理解雇条例」との闘いのアピール、青年労働者の9・11反原発行動と10・2青年労働者集会のアピールが行われ、討論に入った。「被曝労働が非正規労働者に強制されている。被曝労働で労働者を殺す原発には絶対反対だということを、労働運動の譲れない課題だとはっきりさせて闘おう」という問題提起をはじめ、活発な討論が行われた。最後に関西交流センターの富田代表が「報告を聞いてはっきりした。『除染して原発と共存しろ』なんてふざけるな! 福島こそ、この社会を根底からひっくり返す根拠地だ。福島の怒りと結びつき、敵をはっきりさせて9・11、9・19を闘い、11・6一万人結集に総決起しよう」と訴えて集会を終った。(K・N)
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