8・30市東さん農地裁判、千葉地裁の早期結審策動を粉砕
8月30日、千葉地裁で市東孝雄さんの二つの農地裁判(行政訴訟・農地法裁判)が開かれた。三里塚反対同盟と労働者・学生・市民は傍聴席を埋め、多見谷寿郎裁判長による口頭弁論打ち切りと早期結審の策動に対し全力で闘いぬいた。
裁判に先立つ朝8時45分、千葉中央公園に「多見谷裁判長は証人を調べよ」と書かれた横断幕が掲げられ、反対同盟を先頭に152人が結集して総決起集会が始まった。司会は事務局の鈴木謙太郎さん。北原鉱治事務局長がマイクを握り、あらん限りの怒りを込めて8月6日の強制執行による現闘本部破壊を弾劾し、市東さんの農地を守るために闘うことを訴えた。
続いて顧問弁護団の葉山岳夫弁護士が、「裁判所は今暴力装置としての本質をむき出しにして襲ってきている」と警鐘を鳴らし、早期結審強行を打ち砕く決意を表した。動労千葉の川崎昌浩さんの連帯アピール、関実の発言を受けて、直ちにデモに出発。「すべての証人を採用しろ」「弁論打ち切りを許さない」の声が市街にとどろいた。
10時半に開廷。弁護団は千葉県とNAAを決定的に追撃する3つの重要な書面を出した。さらに弁護団は、県とNAAがこれまで認否・釈明を行っていない事実が山ほどあることを具体的に突きつけた。
そして「今後の進行について」と裁判長が切り出した。裁判長は7月に持たれた進行協議の中で、「双方の主張は出尽くした」と称して口頭弁論を終わらせ、証人をわずか2人(市東さん、萩原進さん)に制限する意向を表し、弁護団はこれを徹底弾劾してきた。裁判長はこの日も「市東さんにとって敵性証人を呼ぶ必要はないだろう」などと高圧的に迫ってきた。弁護団は怒りをこめてはねつけ、旧地主・藤崎や行政処分にかかわった県やNAAの職員への尋問が不可欠であることを徹底的に主張した。傍聴席からも次々と抗議の声がたたきつけられた。
結局裁判長は未練たらしくあれこれ言いながら次回法廷での証人調べを断念せざるをえなかった。だが、早期結審への執着はまったく変わらない態度を表し続けた。次回法廷は10月18日午後2時。次回からは二つの裁判は併合される。
この日の総括集会は、炎天下の千葉中央公園で開かれた。最初に市東孝雄さんが「現闘本部が破壊されたが、あんなやり方しかできないというのは向こうもぶざまだ。私の畑に対してもどんな手を使ってくるかわからないが、絶対に許さない」と鮮明な決意を述べ、拍手に包まれた。
続いて弁護団が次々とマイクを握り、証人調べ強行を粉砕した勝利を確認した。萩原進事務局次長がまとめの発言に立ち、「8・6は支配階級までも核兵器の廃絶を口にする日だ。45年間核と戦争に反対して闘ってきた三里塚の本部をその日に破壊した。放射能と闘う福島に対しても犯罪的な行為だ。この敵のあせりを見抜いて、人民の中に分け入ることが勝利につながる。きょうの法廷で反動を押し返したが、今後は証人をどれだけ認めさせられるかの闘いだ。裁判闘争と現地闘争を一体で発展させよう」と力を込めて訴え、これまでの「天神峰現地闘争本部裁判闘争を支援する会」を発展させて「三里塚裁判支援運動」を発足させることを明らかにした。
最後に鈴木謙太郎さんが10・9三里塚全国総決起集会への大結集を訴え、団結ガンバローを三唱。全員が反対同盟とともに「農地死守」の決意をあらためて胸に刻んだ。(TN)
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