第3誘導路裁判、「厚木を上回る成田騒音被害」
2月24日、千葉地裁民事第3部(廣谷章雄裁判長)において第3誘導路裁判の弁論が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生は、天神峰の市東孝雄さんを追い出すためだけに造られた第3誘導路への怒りも新たに、「農地死守」の気概に燃えてこの日を闘った。
弁護団はすでに、市東さん宅周辺での騒音調査の結果を松井利仁・北海道大学教授が分析したデータに基づいて、成田空港の騒音と健康被害の状況を明らかにした。そして今回、新たな準備書面で主張を補充した。
10年前、堂本暁子千葉県知事(当時)は天神峰、東峰地区を視察して騒音のひどさに「ここは人間の住むところではない」と言い放った。その後暫定滑走路は北延伸され、ジェット機は大型化し、明らかに騒音はひどくなっている。市東さんの居宅・農地は空港施設に完全に包囲されている。人が住める場所でないというなら、住めるようにするのが知事の務めではないのか!
堂本はその後、自ら市東さんの耕作地について空港会社(NAA)の賃貸借解約申請に許可を与え、市東さんの追い出しを図っている。許すことはできない。
日本における騒音規制は非常に遅れている。夜間騒音は特に大問題で、住民の健康被害は、具体的にさまざまな病気・疾患となって表れている。
厚木基地騒音訴訟では、自衛隊機の午後10時から翌朝6時までの飛行を差し止める画期的な判決が出された。ならば成田はどうなのか。夜間の騒音が人体に与える影響という点では、厚木騒音被害の10倍以上になる。夜間飛行はただちに差し止められなければならない。
弁護団の堂々とした陳述が法廷を圧したのに対して、被告の国とNAAは新たに提出した準備書面で、松井教授が行った騒音調査に対するあれこれのケチつけを並べてきた。これに対する反論は次回以降になる。
次回期日を5月18日として、閉廷した。
千葉県弁護士会館で報告会が開かれ、葉山岳夫弁護士を始め顧問弁護団が発言し、騒音問題を焦点として闘う意義を解説し、第3誘導路粉砕への決意を述べた。
動労千葉、関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会が連帯発言を行った。動労千葉の後藤俊哉さんは、3・14ダイヤ改定での特急廃止・削減に対する住民の怒りが高まる中で、銚子と館山で集会を開くことを報告した。さらに霞が関での3・4農地裁判控訴審闘争、成田市栗山公園での3・29全国総決起集会に動労千葉も全力で参加する決意を表した。
最後に司会の伊藤信晴さんが、市東さん農地取り上げ反対署名の数がついに2万を突破したことを高らかに報告した。さらに3・4東京高裁提出へ向け全力で署名を集めることを訴え、集会を締めくくった。
反対同盟と支援連はこの日の午後も、恒例となった千葉市繁華街での署名情宣活動に立ち、労働者市民に農地強奪阻止と安倍政権打倒を熱烈に呼びかけた。(TN)
この記事へのコメントはありません。