被災地仙台で、震災解雇を撤回させ、現職復帰をかちとる!
11月21日、青栁歩さん(みやぎ連帯ユニオン副委員長)が震災を口実としたタクシー会社けやき交通による不当解雇を撤回させ、原職復帰をかちとった。歴史的な勝利だ。
当日の早朝6時、みやぎ連帯ユニオンの組合員をはじめ、みやぎ労組交流センターなどの多くの仲間たちが激励と見送りに駆けつけるなか、青栁さんは職場に戻った。出勤してくるタクシー乗務員の顔も明るく、青栁さんの顔を見ると嬉しそうに挨拶している。ある乗務員は、「本当に良かった。これからが勝負だけど、がんばっていきましょう」と声をかけてくる。
4月の解雇通知から7ヶ月、闘って、闘って、闘いぬいてもぎり取った決定的な勝利だ。解雇無効の仮処分を訴え、8回にもわたる審尋の度に会社側の不当性を暴き出してきた。駅前タクシープールなどで、職場の仲間に闘いを訴え、9月には門前行動もやりぬいた。これらの闘いを通して、青栁さんを支えようと多くのカンパや支援の声が職場の中からも集まり、会社側を追い詰めていった。
そして11月9日、この職場と地域の仲間の団結した力が、裁判所に「解雇無効」の仮処分決定を出させたのだ。この決定をもって、20日には団体交渉を開かせ、現職復帰を会社側に認めさせた。
今回の闘いで、私たちは「闘えば勝てる」「団結すれば勝てる」ということを示した。「震災だから解雇はしょうがない」という連合や全労連などの体制内労働運動の限界を乗りこえ、生きるための労働者の団結を甦らせたのだ。今回の解雇撤回の勝利は、「復興攻撃」「原発事故」による大失業、非正規化、大幅賃下げに対して怒る被災地のすべての労働者に希望を与えている。
被災地では、震災を口実とした解雇攻撃、非正規職化が吹き荒れている。大失業問題はまったく解決されていない。それどころか、小宮山厚労相は「失業給付を延長すると働く意欲を喪失する」として失業給付の延長打ち切りを強行しようとしている。ふざけるのもいい加減にしろ! 働きたくても仕事がない。あるいは、ハローワークで出されている求人の多くが、半年~1年という期限付きの復旧関連しかない。これで、どうやって生きていけというのか! しかも、原発事故の「風評被害」によって工場移転が始まり、さらに多くの労働者の職場が奪われている。
いまこそ労働組合が立ち上がるときだ。けやき闘争の勝利をすべての職場に持ち込み、あらゆる職場に分会の旗を打ち立て、被災地が先頭に立って合同・一般労組全国協議会1千人建設をかちとっていく。(みやぎ連帯ユニオン・S)
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