ヒロシマで原子力村主催の「医療シンポ」粉砕行動打ち抜く!
ヒロシマの被爆者・学生・労働者は、国際会議場(原爆資料館の隣)で11月23~24日に開催された「放射線の人体影響―放射線被ばく者医療の国際的なネットワークの確立に向けて」と題する国際シンポジウムの中止を求め、抗議行動に立ち上がりました。シンポの主催はHICARE(放射線被曝者医療国際協力推進協議会)と広島県、共催は原発推進機関であるIAEA(国際原子力機関)、後援は外務省、文科省、経産省など原子力村が勢ぞろい! 原発事故、放射能被害と闘うフクシマの怒りを踏みにじるこのシンポを、ヒロシマは絶対に許すことができません!
そもそもシンポ冒頭の基調講演が「IAEAの取組:科学技術で人類の基本的ニーズを満たす」となっていることからも、福島原発事故で危機に瀕している「核の平和利用」を再構築するためにヒロシマを政治利用しようという意図は明白です。講演者モハマド・ダウド(IAEA事務局次長、マレーシア原子力委員会前委員長)はマレーシア初の原発導入をめざしてきた中心人物であり、原子力広報の専門家なのです。
さらに、御用学者=神谷研二・谷川攻一(広島大)、高村昇(長崎大)、安村誠司(福島医大)もそろって講演! HICAREは被爆者データを蓄積したヒロシマが、IAEAと共に国際被ばく医療体制を築くことが「ヒロシマの知見を世界に広めることだ」というのです。あくまで原発を維持し推進していくことを前提に、再びフクシマ級の原発事故が起きることを想定し、それに対応できる緊急被ばく医療体制を構築しようというのです。それは、福島原発事故における放射線の健康被害を過小評価することと一体です。絶対に許せません!
これに先だち、21日、中止を求める申入書を、8・6ヒロシマ大行動、NAZENヒロシマ準備会、反戦被爆者の会、全国被爆者青年同盟、全学連の5団体が提出。2時間にわたり交渉を行いました。しかしHICAREの事務局長は、「『放射線の人体影響』がテーマであって、原発とは関係がない」「原爆には反対しているが、原発については賛成も反対も言えない」「万が一の被ばくを想定して、緊急被ばく医療体制は必要」と繰り返すばかり。被爆者支援と言いながらまったく被爆者の思いを踏みにじる発言に、下田禮子さん(反戦被爆者の会)は、「もう自分のような目に合う人を世界のどこにも生み出したくはないんです。原発を推進するIAEAとの講演を中止してください」と怒りの訴えを行いました。
そしてシンポ初日、私たちは再度HICAREに対し、講演者全員に中止を求める申入書を渡すよう要請し、会場前でマイク宣伝とビラまき行動を行いました! するとビラを受け取り「そうだ。とんでもないシンポだから抗議するために来たんだ」という方も。ビラはシンポ参加者に圧倒的に行き渡りました(結局ダウドは原発について一言も触れられず!)。
広島市当局は「平和公園内ではマイク宣伝、ビラまきは行わないでください」と妨害してきました。被爆地ヒロシマが「核の平和利用」の名の下にさらなる原発推進に使われようとしていることに対して、抗議の声一つあげない広島市当局は何なのか! 「核の平和利用」の下に原発がつくられてきた結果、膨大な労働者に被曝労働が強制され、ついに「第三の原爆」ともいうべきフクシマが引き起こされたのではないか! 私たちは市当局の妨害をはねのけて抗議行動を1時間近くやり抜いた後、若者が集まる「本通り商店街」へ移動し、12・10―11反原発行動への大結集を訴えました。原発輸出、再稼働を進める野田政権打倒へ。フクシマの怒りとともに、ヒロシマはさらにさらに立ち上がります!(広島大学 A・M)
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