韓国国会でのFTAだましうち採決糾弾! 反撃の闘い始まる
11月22日午後4時すぎ、韓国のイミョンバク政権はクーデター的に韓米FTA(自由貿易協定)の批准同意案の国会採決を強行した! このだまし討ちで採決が強行されたことが伝わるや、労働者人民は直ちに反撃を開始した。午後7時には国会の近くで強行採決を糾弾する千本のキャンドルがともった。「99%をめった打ちにする韓米FTA廃棄しろ」「1%の手先イミョンバクOUT(アウト)」のスローガンが掲げられ、青年たちは「私たちの未来を奪うな!」「イミョンバク政権打倒!」と叫んだ。場所を明洞(ミョンドン)に移し、仕事帰りの労働者が続々と集結。午後9時過ぎには3千人にふくれ上がったデモ隊が明洞聖堂に向かってデモを始めると、警察部隊5千人がデモ隊に向け放水、19人が連行された。
イミョンバク大統領が訪米中の10月12日、米国議会はコロンビア、パナマとともに韓国とのFTA実施法案を可決した。オバマが「米韓FTAは米国の輸出を110億ドル程度増加させ、約7万人の雇用を創出するだろう。米国の輸出を倍増させる私の目標を達成できる」と述べたのに対し、イミョンバクはFTAを「韓米の130年にわたる韓米関係における重要な道しるべとなる歴史的成果だ」と語り、韓国国会での批准を誓った。
しかし、韓米FTAは徹底的に米資本を保護する不平等条約だ。例えば牛肉輸入問題だ。2008年春、韓国では米BSE牛肉輸入阻止で100万人がキャンドルデモに立ち上がった。しかし、韓米FTAには「牛肉はいかなる場合でも輸入禁止措置は行わない」と記されている。米国の最恵国待遇が貫徹され、米国企業にはアメリカの法律しか適用されない。そして教育・医療・保険を始め公共部門の民営化が確約されている。
イ政権は当初、10月中にFTA批准案を国会通過させることを狙っていた。しかしそれが粉砕される中、野党とマスコミには11月24日の本会議上程を示唆した上で、22日は与党ハンナラ党の議員総会を招集していた。その最中に「決断の時が来た。韓米FTAを処理するために本会議場に移動しよう」と、軍事作戦さながらのだまし討ち採決に及んだのだ。
11・13労働者大会で反FTA総力闘争を宣言した民主労総は24日、拡大幹部ストライキを皮切りにFTA無効闘争に突入した! ソウル市庁広場では23日に5千人、24日には7千人がキャンドル集会を繰り広げ、連日の激突が続いている。
「反FTA!」「イミョンバク退陣!」の闘いは23日から主要都市の釜山、大邱、大田、ウルサンなど全国で始まり、全国農民会総連盟など農漁民もソウルに上京、26日にはソウル光化門周辺が2万人で埋まった。
韓進重工業闘争の希望バスを引き継ぐ韓米FTA無効の闘いが、イ政権打倒へと突き進んでいる。労働者、農漁民、市民、学生など全人民の怒りを束ね、新自由主義から未来を奪い返す闘いが始まった。(M)
写真は11月26日、FTA批准無効を訴えソウルに集まった2万人
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