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団結街道裁判、「国の手先となるな!」と裁判所を批判

s20120509a.jpg 5月8日、千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)で団結街道裁判が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と支援の労働者・学生・市民は、成田市と成田空港会社(NAA)によって強行された一昨年の団結街道封鎖に対する怒りをあらためてたぎらせ、法廷に詰めかけた。終了後の総括集会(写真)では、5月28日に行われる市東さん行政訴訟・農地法裁判の開廷前に、千葉市内デモを行い、さらに7月前半に三里塚現地闘争を闘い抜く方針が確認された。
 反対同盟顧問弁護団は、陪席裁判官の交代に伴う更新意見を陳述した。 

 「第3誘導路建設へ向け市とNAAが結託して行った団結街道の封鎖は、違憲・違法だ。天神峰で農業を営む市東孝雄さんにとってこの道は、自宅と畑とを一日に何度も往復する生活道路であった。これを奪われた市東さんは重大な損害を被った。市は、入会権があるこの道を地元住民の承諾を得ることなく封鎖を強行し、しかも驚くべき低価格でNAAに売り渡したのだ」
 11人も並んだ市とNAAの代理人は、沈鬱な面もちでうつむいている。
 弁護団はさらに裁判所に向かって根底的批判を突きつけた。「これまでの三里塚裁判で裁判所は“成田空港建設は国策”という重圧に屈し、不当な判決を出し続けてきた。原発でも国鉄でも裁判所は国と癒着し、国の手先となって、住民・労働者側敗訴の判決を下してきた。この裁判でもそれを繰り返すのかが問われている」
 多見谷裁判長はその迫力に圧倒され、「通常の訴訟と同じ、いやより綿密にやります」などと弁明した。
 弁護団は、市とNAAを追及する準備書面を提出した。市は「道路廃止処分は適正だった」と称し、「路線廃止処分」を勝手に①~⑥に類型化して、本件は「⑤公共事業などの公益上の目的のため必要な土地で路線を廃止しても支障ないと判断できる場合」にあたる、などと主張している。ならば過去にそれにあたる事例を具体的に挙げてみよ、と弁護団が釈明を求めると、「事例はあるが、明らかにする必要はない」と居直っているのだ。
 裁判長が「市東さんのような賃借地を耕作している場合での事例はないということか」と問うと、市の代理人は不安げな表情でヒソヒソ話を始め、誰一人まともに答えられない。弁護団が、「すべての事例を示すことは大前提だ!」と追及すると、市の代理人は沈黙の後、「厳密に整理してから回答する……」と蚊の鳴くような声で言うのが精一杯の情けない有様だ。自らの主張に自信も確信もないのに、農地強奪の大罪に手を染める無責任な連中に対し、法廷の怒りは高まった。次回期日は9月18日(火)。
 弁護士会館で開かれた報告集会では、北原鉱治事務局長が弁護団と一体で闘う決意を述べ、それに応えて弁護団全員が市とNAAの不正義をさらに徹底追及する姿勢を明らかにした。締めくくりに萩原進事務局次長が、5月28日の農地裁判開廷前の千葉市内デモと、7月前半の三里塚現地闘争方針を再確認し、「原発、〈日の丸・君が代〉、労働運動などでの国策裁判の矛盾が全人民の前に露呈している今こそ、現地攻防と一体で三里塚裁判に勝ちぬこう」と訴えた。(TN)
◎市東さん行政訴訟・農地法裁判 5月28日(月)午後1時30分開廷、千葉地裁。これに先立ち、市内デモ=正午、葭川(よしかわ)公園集合(千葉市中央区中央・モノレール葭川公園駅前) 

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