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「裁判員も原発も即時廃止だ!」日比谷集会に全国から950人

s20120523b-1.jpg 裁判員制度が施行されてちょうど3年目の5月21日、東京の日比谷公会堂で「裁判員制度廃止!全国集会」が開かれた。主催は「裁判員制度はいらない!大運動」。全国から950人が参加し、多彩なプログラムで裁判員制度廃止へ一層闘う体制を打ち固めた。
 集会は、交通ジャーナリストで「大運動」呼びかけ人の今井亮一さんの開会あいさつから始まった。今井さんは、「国民を罰則付きで裁判に参加させる――こんな『国民参加』はない」「『手直し』は国民の手で裁判員制度を廃止するところから始めよう」と呼びかけた。 

s20120523b-2.jpg 集会のメイン企画として宮本弘典さん(関東学院大学教授、刑法学)が講演を行った。宮本さんは40分間の講演で、「疑わしきは被告人の利益に」などの近代刑事裁判の理念形成の歴史を語り、裁判員制度がそれを根底から覆すものであること、そして裁判員裁判登場の時代的背景として、体制の危機と新自由主義、財界の要求、「福祉国家」から戦時国家への転換の問題などを指摘した。そして結論として、裁判員裁判は、①危機管理国家の治安管理装置である、②戦時下の社会防衛装置であり被告人を法的・道徳的に市民社会から追放するものである、③簡易・迅速・重罰化で、刑事裁判をますます国家の支配の道具とするものである――と徹底的に断罪した。したがって、「一切の見直しや修正などナンセンスだ。裁判員制度は、原発や自衛隊と同じく、いかなる妥協も譲歩もなく、即時廃止以外にない」と結んだ。切れ味鋭く明快な宮本さんの講演に、参加者は圧倒的な拍手で応えた。
 続いて3D寸劇「インコライダー、怪人サイコウサイの野望をうちくだけ!」が上演された。劇の筋書きは、おなじみ「裁判員いらなインコ」と大運動が、最高裁、法務省、マスコミ、日弁連の結託体制と闘って追い詰めるもの。プロの劇団員に落語家の林家時蔵さんも加わった寸劇に、会場は笑いと拍手に包まれた。
 さらに、各界の3氏がビデオレターを寄せた。蛭子能収(えびすよしかず)さん(漫画家)、崔洋一さん(映画監督)、山本太郎さん(俳優)が、裁判員制度になぜ反対するか、生活者の立場、表現者の立場、原発と裁判員制度のことなど、それぞれの裁判員制度反対の思いを語った。
 集会が最高潮に盛り上がったところで、全国で反対運動を闘ってきた人々が旗や横断幕を広げて壇上に勢ぞろいした。北海道から九州まで約20団体がこの間、裁判所抗議や学習会、講演会、街頭宣伝など地道な闘いで廃止運動を広げてきたことが紹介された。海外からも韓国・民主労総の労働者が集会に参加しともに闘っていることが紹介された。さらに、この3年間に通知を受け取った8人の裁判員候補者が登壇し、それぞれの思いを述べた。8人が一斉にボードを裏返すと、「一人の拒否をみんなの拒否へ!みんなの拒否で制度の廃止!」のスローガンが鮮やかに現れた。
 勢ぞろいした各地の会と裁判員候補者をバックに、大運動呼びかけ人の高山俊吉さん(弁護士)がまとめと行動提起を行った。「裁判員制度は惨たんたる状況です。85%が拒否している。私たちが頑張ってこの状況をつくってきた。一人の拒否からみんなの拒否へ、実際に廃止する段階へさらに闘いを進めよう」「勉強し行動しよう。今こそしのぎを削る闘いを!」と明るく結んだ。
 権力、日弁連執行部、マスコミ一体の「施行3周年」の推進キャンペーンを打ち破る日比谷集会の大成功は彼らに強烈な打撃を与えた。原発も裁判員制度も人民の9割が反対している。こんなものは即刻廃止だ! 集会の成功をばねに各地で闘いを強化し、裁判員制度の息の根を止めよう。(N)
 

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