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動労総連合が強制出向の無効確認を求め提訴

s20121229b.jpg 動労千葉、動労水戸、動労連帯高崎の組合員53人が12月26日、JR東日本が強行した検修・構内業務外注化と強制出向の差し止めを求めて東京地裁に提訴した。今回の強制出向をめぐって3労組は、強制出向の差し止めを求めて8月26日に東京地裁に仮処分を申し立てていた。東京地裁は11月22日、「強制出向させられた労働者に対する不利益は軽微だ」と一方的に決めつけて申し立てを却下した。この不当な棄却決定を受けて今回、3労組は本裁判に踏み切った。
 午後1時に東京地裁前に集合した組合員と支援は、最強の布陣を整えた弁護団とともに東京地裁に入り、民事部に訴状を提出した。手続きを終え、3組合の代表と弁護団が司法記者クラブで記者会見を行った。 

 会見の冒頭、動労千葉の田中康宏委員長が、2000年以降のJR東日本での業務外注化の経過や、受託した下請け会社には電車の検査修繕や構内入れ換えの技術も経験もなく明白な偽装請負であることなどを明らかにした上で、「この出向は必然的に転籍に行き着かざるをえない。直接には出向の差し止めを求める裁判だが、非正規雇用がまんえんする今の社会のあり方そのものを問う裁判だと考えている。鉄道の安全にとって枢要をなすメンテナンス部門を、ひたすらコストを削減するために2次下請け、3次下請けへと外注化した時、鉄道の安全が根底から崩壊することは火を見るより明らかだ」と述べた。そして「この裁判は競争原理が蔓延まんえんする今の社会に対する本質的な問題提起だ」と強調した。
 続いて動労水戸の国分勝之副委員長が「すでに外注化実施から3カ月近くが経過したが現場はガタガタで、JRの存在なしには成立しない業務委託だ」と述べ、自ら出向当該である動労千葉の長田敏之書記長も「形式的に下請け会社の作業責任者を置いているが、偽装請負隠しのためとしか言いようがない」と、現場の生々しい現実を紹介した。同席した代理人の森川文人弁護士は「外注化によって現場での仕事は分断、寸断されている」と述べ、石田亮弁護士も「最大の問題は、仕事ごと労働者が出向に出され、戻る職場がないこと。実質的な転籍と言わざるをえない」と、今回の外注化・強制出向の問題点・違法性を指摘した。
 会見終了後、弁護士会館で総括集会が行われた。この場で代理人の鈴木達夫弁護士は「外注化・強制出向の問題は、戦後の労働運動が目をそらしてきた課題だ。そもそも外注化・強制出向の何が問題なのか、現場で働く労働者の気持ちや視点に立ち、一から丁寧に闘いを組み上げていく必要がある。今まで誰もやらなかった挑戦だ」と、この裁判の持っている位置を突き出した。
 出向当該である動労千葉の関道利執行委員は「気を引き締め、必ずJRに戻る決意で闘う」と述べ、動労水戸の坂場力夫執行委員も「裁判と一体で、現場からの闘いで外注化・強制出向の問題性を明らかにしていく」と決意を述べた。最後に動労千葉の田中康宏委員長が「外注化阻止闘争の第2ラウンドが今日から本格的に始まった。労働者全体にとって大きな挑戦でもあり、暗中模索の闘いでもある。ここからさらに前に一歩進もう」とこの日の闘いをまとめた。(O) 

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