国労組合員資格回復訴訟、事実を隠す国労本部を追及
国労組合員資格確認訴訟の第7回口頭弁論が3月13日、東京地裁民事第11部(団藤丈士裁判長)で開かれた。裁判長の交代に伴う弁論更新手続きが行われ、原告代理人が意見を述べた。
この裁判は、国鉄1047名解雇撤回闘争の終結を宣言するとともに、被解雇者の闘争団員から国労組合員としての資格を奪った国労本部を相手に、2010年の4・9政治和解を拒否して解雇撤回闘争を闘いぬく4人の闘争団員が、組合員資格の回復を求めて起こした裁判だ。
この日の期日に先立ち、被告の国労本部は闘争団からの組合員資格剥奪を全面的に居直る書面を出してきた。そこで本部側は、①「(国労は)企業別組合であり、組織対象企業に雇用される労働者をもって組合員とするということは、組合規約自体に明文の規定はないが、国鉄時代から現在に至るまで、一貫して基本的に変わらない」、②「解雇等に対して雇用関係の存否を争っている場合も、係争の結果として雇用関係の不存在ないし終了が確定すれば、組合員資格も当然に失われる」、③「JRへの雇用可能性が失われたとしてJR不採用問題にかかわる闘争を終結するとの判断を行うことも、団結自治に基づく組合の方針決定に属することであり、違法となるものではない」――などと述べている。
法廷で原告代理人弁護士はこれを徹底的に批判した。「雇用関係が前提というのは、労働組合のあり方としてまったく間違っている。国労は激しい闘いの中で『組合員資格は雇用関係の存在が前提』という枠を打ち破り、『組合員名簿に登録された者を組合員』とすることで被解雇者を守ってきた。被告の主張は歴史を改竄するものだ」と本部側に迫った。
また、「組合員資格剥奪は国労本部がJRの労務政策の協力・加担者に転落する節目としてあった」と喝破し、就業規則をそのまま協約にした総合労働協約を結ぶことで協約締結権さえ放棄した国労本部の裏切りと転向を突き出した。そして、グリーンスタッフ(契約社員)の雇い止めとも闘わない存在になり果てた国労本部を怒りを込めて弾劾した。
前回12月の裁判で、前任の白石哲裁判長は本部側に「組合員名簿から原告の名前は抹消されているのか否か」の釈明を求めていた。ところが本部側はそれに一切答えていない。こんな基本的な事実さえ隠そうとする態度は明らかに不自然だ。原告代理人は「何か不都合な事実があるのか」と本部側に詰め寄った。それでも本部側は沈黙を決め込んだ。
総括集会で原告の成田昭雄さんは「これからがいよいよ本格的な攻防になる」と決意を語り、羽廣憲さんは「本部は筋の通らないことを通そうとしている。絶対に許せない」と怒りを表した。小玉忠憲さんは「国労本部の裏切りが現場に何をもたらしているかをつぶさに突きつけていくことが重要だ」と今後の方針を提起した。
裁判に先立ち、原告を先頭に「共に闘う国労の会」は裁判所前での宣伝行動を貫徹。国労本部を打倒して1047名解雇撤回闘争を貫徹しぬき、現場からの闘いでJRの外注化攻撃を粉砕する不屈の意思を示した。動労千葉鉄建公団訴訟での解雇撤回・JR復帰判決を求める署名活動も行われ、1047名闘争が今も継続している事実を知って感動し、その場で裁判傍聴に合流した人もいた。(東京・K)
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