全金本山労組がスト決行 「休憩時間廃止」白紙撤回を
全金本山労組は1月28日、「午前10時と午後3時の休憩時間の廃止」の白紙撤回を求めて第1波の1時間ストライキを決行した。34年にわたる闘いで解雇を撤回させ05年に職場復帰して以来、2度目のストライキだ。
気温マイナス2度の寒風の中、7時45分からビラ配布と情宣を開始。組合員とOBは工場建屋入口、みやぎ連帯ユニオンや東北大生は看板を持って門前に立ち、職場に向かう労働者に訴えた。マイク情宣の声が工場内にも響いた。
午前11時。組合員2人がゼッケン姿で工場内から姿を現し、OBと支援の仲間が拍手で迎えた。出てきた管理職は14人。総務部長が「ここは会社の敷地だ。不法侵入だ。外に出ろ」と声を荒げるが、ビデオカメラを回すだけで何もできない。
ストライキ突入集会が始まった。ストに入った委員長らは、「会社の不当な扱いに抗議して本日ストライキに入った。われわれは奴隷労働はしない。白紙撤回まで第2波、第3波と闘いぬく」と戦闘宣言を発し、「全金本山とともに立ち上がろう。組合に入ろう」と職場の労働者に訴えた。続いてOBの仲間が発送場での休憩(休息)時間をめぐる管理職とのやり取りを明らかにした。
私は「労働は職場の労働者が心と力を合わせ、団結し、健康と安全を守って働くのが基本だ。そのための休憩(休息、一服)は必要不可欠だ。廃止は許さないし認めない。会社労務は現場の労働に口出しするな」と弾劾し、「人間労働の協働性」を明らかにした。学生とみやぎ連帯ユニオンから激励のアピールをいただき、労働者へのアピールとシュプレヒコールで行動を締めくくった。
全金本山労組は職場復帰以来、差別賃金是正、賃上げ、シャワートイレの設置、冷暖房設備の改善、不当労働行為の摘発と謝罪をかちとり、職場闘争を前進させてきた。親会社・栗本鐵工所の株主総会にも乗り込み、資本を追いつめてきた。
悲鳴を上げた栗本は15年4月、2期連続の赤字を理由に本山製作所の社長を交代させ、新社長の号令で「労働コスト・人件費削減」の合理化策を強行した。昨年12月には「本社工場で慣行として行われているが就業規則で定めていない」として、1月1日からの休憩時間の廃止を通告。しかも連合傘下のJAM労組と先に話をつけ、社内通達を出した後に全金本山労組に話をもってきた。
全金本山労組組合員は周りの労働者にも声をかけ、「処分できるものならやってみろ」と休憩を実行し続けている。「休憩時間の廃止」はすべての労働者にかかわる労働条件の改悪だ。16春闘とあわせ、白紙撤回へ長期になっても闘いぬく。
朝鮮半島の戦争情勢下、韓国では民主労総の現代自動車労組などがゼネストに立ち上がっている。16春闘を爆発させ、戦争と改憲の安倍政権打倒に向け階級的労働運動をつくりあげよう。団結しよう。(全金本山労組副委員長・長谷武志)
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