動労水戸 被曝車両検査・再運用攻撃をストライキで粉砕
動労水戸は、被曝車両(K544編成)の検査・再運用攻撃に対して総力でストライキに立ち、交番検査(交検)の強行を粉砕する決定的な闘いを打ち抜いた。
攻防は12日から始まった。K544は、福島第一原発事故から広野駅に半年間放置され、勝田車両センターへの移送後も現場の激しい反対の中で車両センターの片隅にずっと留置されてきた。水戸支社は、水戸鉄道サービス(MTS)の労働者にK544の清掃をやらせ、12日には交検実施のためにK544を検修庫内に移す転線作業を指示した。既成事実を積み上げ交検になだれ込もうとしたのだ。動労水戸は職場でビラをまき、12日には緊急時限ストに決起し徹底抗議を行った。
交検が予定されていた16日、勝田車両センターで働く組合員は、朝の点呼時から激しく抗議闘争を闘った。他の職場の組合員も続々とストに入り勝田車両センター門前に結集した。首都圏を中心に福島や仙台からも労働者・学生が支援に駆けつけ150人の大門前闘争となった。
マイクを取った石井真一委員長は「最もほこりを吸い込む下回りの作業をやらされるのは青年労働者だ。絶対に許すことはできない。安倍政権が再度、原発の再稼働と輸出を中心に据え、福島では避難区域を次々と解除し高線量地域に住民を帰還させようとしている。K544の再運用、常磐線の竜田駅への延伸の動きはこれと一体だ。労働者と住民、乗客に被曝を強制し、金もうけのために命を奪い取る攻撃だ」と当局を徹底弾劾した。
勝田車両センターで働く辻川慎一副委員長も「会社は基本的に交検ができない状況に追い込まれ、『簡易交検』と称して、ほんの一部の作業だけでごまかそうとしている。電車保守の要である交検もやらず、それを『やった』と言い張って郡山総合車両センターで全般検査をやらせてさらに多くの被曝を強制する。二重の意味で絶対に許せない」と、ほとばしるような怒りをたたきつけ、職場の仲間たちに「おかしいことはおかしいと言おう。しかしそれは東労組では無理だ。動労水戸に結集しともに闘おう」と熱く呼びかけた。
多くの組合員と一緒に駆けつけた動労千葉の田中康宏委員長が火の出るようなアジテーションを行い、福島から駆けつけた椎名千恵子さんと福島労組交流センターの渡辺馨代表も動労水戸組合員に心からの連帯を表明し、当局を「あなたたちは責任が取れるのか。福島は絶対にK544の運用強行を許さない」と徹底的に弾劾した。各地の労組交流センター、全学連の斎藤郁真委員長、婦人民主クラブ全国協、医療労働者などが次々とマイクを取り、感動的な訴えが車両センターに響き渡った。多くの労働者が耳を傾け、手を振るなど合図を送ってきた。
12時にストに入った勝田車両センターの組合員が門前での抗議闘争に合流した。「当局は通常の交検とはぜんぜん違うやり方をしている。放射性物質が付いていることを認めながら作業をやらせる会社は絶対に許せない。全身全霊をかけて闘う」との職場報告に大きな拍手が上がった。
車両センター前での抗議行動を終え、水戸市内に移動した参加者は、JR水戸支社への抗議闘争を闘い、水戸市内の会場で総括集会を開催した。
石井委員長はこの場でK544の交検を渾身(こんしん)の闘いで粉砕したことを宣言し、10月1日に予定されている構内誘導業務外注化阻止の闘いと一体で、今後も被曝労働強制ととことん闘い抜こうと訴えた。動労千葉の田中委員長は「動労水戸の取り組みには、自らの被曝を拒否する闘いの中に、誰一人として被曝させないという熱い思いが詰まっている。この闘いに続く」と述べ、福島から駆けつけた青年が現地での議論を紹介しながら「福島原発事故、内部被曝や被曝労働を絶対にあいまいにしないという動労水戸の闘いを引き継ぎ闘う」と発言。これに応えて辻川副委員長が「重要なことは団結した闘いで交検ができないところに追い込んだこと。会社は必死でごまかそうとしているが、郡山ではどうするかが問題になる。今日の闘いで郡山総合車両センターで闘う仲間とつながることができた」と述べた。全員で団結ガンバローを行い、この日の闘いを締めくくった。
動労水戸の7・16ストは、あたかも原発事故などなかったかのように大キャンペーンで福島の怒りをを圧殺する攻撃と対決し、その再先兵であるJR東日本をストと職場実力闘争で徹底的に追いつめて巨大な勝利の地平を切り開いた。この闘いに続こう!(O)
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