動労水戸、誘導・構内計画外注化阻止へ第1波スト
動労水戸は9月4日、誘導・構内計画業務の外注化に反対して今秋第1波のストライキを打ち抜いた。MTS(水戸鉄道サービス)への出向者を含め勝田車両センターで働く全組合員がストに立った。
JR水戸支社は、昨年10月の仕業検査・構内運転業務の外注化に続き、来月1日から誘導・構内計画業務をMTSに外注化しようとしている。管理部門以外のすべての仕事を下請け会社に丸投げしようとしているのだ。誘導・構内計画業務は、車両センターでの列車の入れ換え計画を作る仕事で、これに基づいて車両検査や構内運転、車両の清掃などすべての仕事が行われる。とても大事な仕事だ。昨年10月の外注化強行で、指揮命令系統が煩雑になり、現場はいまも混乱し続けている。誘導・構内計画が外注化されれば安全はさらに破壊され、混乱に拍車がかかることは目に見えている。
正午過ぎ、ストに入った組合員に加え、他の職場から駆けつけた組合員と支援が勝田車両センター前に集まりスト突入集会を行った。天候が急変し、猛烈なにわか雨が降り注いできたが、組合員はゲリラ豪雨さえ吹き飛ばす勢いで怒りのシュプレヒコールをJR当局、MTS当局にたたきつけた。
来週末にも出向の事前通知が出される段階に来ているのに、JR水戸支社は「回答が準備できない」と称していまだに動労水戸との団体交渉を一度も開いていない。マイクをとった石井真一委員長は、こうした水戸支社のふざけきった姿勢を徹底弾劾するとともに、昨年の外注化強行から1年のひどい現実に怒りを爆発させた。「出向無効確認訴訟で会社側弁護士は『出向にあたっての不利益はない』と言っているが、年間休日は減らされ、旅費はなくなり、事務手続きや駐車場問題など不利益ばかりだ。さらに当初は『MTSで教育はできる。運転士も養成できる』と言っていたがまったくのうそだった。『エルダーの雇用の場の確保』や『技術指導』という外注化と出向の口実もうそだった。われわれは、ただただ派遣労働を強制されてきたのが現実だ」と外注化と強制出向の実態を暴露し、「出向者をすべてJRに戻せ。さらなる誘導・構内計画の外注化など絶対に許さない」と声を大にして訴えた。
国分勝之副委員長は、被曝車両(K544編成)をめぐる7月の「偽装交検」を渋々認めながら、その責任をすべて現場の労働者に押しつけようとしている会社の姿勢を暴露し徹底的に弾劾した。外注化も、被曝労働強制や偽装交検問題も根っこはひとつだ。JRは鉄道の安全やそこで働く労働者の命について、一切の責任を放り投げようとしているのだ。
辻川慎一副委員長も、職場で働く若い仲間に向けて渾身(こんしん)のアピールを行った。「すでに非正規雇用が4割を超えようとしている。資本主義の命脈がつきる中で、外注化は全世界の労働者の共通の課題になっている。単に自分が『出向に行くか、行かないか』という認識で見過ごしていたら、今は4割の非正規雇用が9割になり99%になる。最後には必ず転籍になる。労働組合が闘わなかったら必ずそうなる。だから外注化なんか1㍉も認めてはいけないんだ」と訴えた。
最後に、MTSに出向させられている組合員がマイクを取った。「会社はMTS社員をJRに逆出向させ、半年で交番検査をマスターさせると言っている。2万ボルトの電気をもらっている車両の検修を、半年やそこらでやらせるなんて無理に決まってんだよ。こんなことをしてたら間違いなく死人が出るぞ。こんなことやらせんなよ! これに加えて誘導・構内計画業務を外注化するなんて絶対にやめるべきだ」。腹の底からの怒りを込めた訴えが車両センター全体に響き渡った。
昼食をはさんで、組合員はJR水戸支社前に移動し、当局に対する抗議行動を展開しこの日の闘いを終えた。来週末にも強制出向の事前通知強行が予想される中、動労水戸は誘導・構内計画外注化阻止、組織拡大、そして来春にも強行が狙われている常磐線の竜田駅延伸阻止に向けさらに闘いを強める方針だ。(O)
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