独禁法違反の実態を告発 コンビニ関連ユニオン 公取委に新たな要望書
大手コンビニと真っ向から対決
コンビニ関連ユニオンは6月22日午前、公正取引委員会集団申告闘争で追加の申告を行うとともに初めて要望書を提出。午後には記者会見を行った。
この闘いはセブン―イレブン・ジャパンをはじめとする大手コンビニの独占禁止法違反の実態を暴く闘いとして昨年9月に始まった。申告したのは、セブン―イレブン本部社員の河野正史コンビニ関連ユニオン委員長や組合内外の加盟店オーナーらだ。公取委はこの夏にも判断を下そうとしている。
追加も含めた申告内容は、コンビニ各社による①24時間365日営業の強制、②オーナーが休日をとる際に本部が業務を代行する「オーナーヘルプ制度」の不履行、③おでんなどの商品の強制発注、④近隣に集中して出店する「ドミナント」をしない約束の違反、⑤「見切り販売は売り上げが下がるから好ましくない」という誘導・強制、⑥新型コロナによる経済情勢の激変にもかかわらず契約基準が1979年のままであること――が独占禁止法の「優越的地位濫用(らんよう)」、あるいは取引相手(オーナー)をだまして引き付ける「欺瞞(ぎまん)的顧客誘引」にあたるとして、公取委にこれらの違反行為を止めるよう命じる「排除措置命令」を出すよう求めるものだ。
オーナー先頭に記者会見で訴え
記者会見では参加者がそれぞれ切実な訴えを行った。「コロナ情勢で店の売り上げが厳しくなっている。チャージ料を下げろ!」「(オーナーになって)仮にも大企業が詐欺を行うわけないと思ってたら、だまされた。そんな中でコンビニ関連ユニオンの取り組みを知って参加した」「セブン―イレブンだけではなく、ローソンもひどい。時短(営業時間の短縮)したらチャージ料を上げられた。無断発注も当たり前に行われている」。
チャージ料とはオーナーが本部に払う上納金で、「年貢(ねんぐ)」と呼ぶオーナーもいる。セブン―イレブンの場合、本部が土地と建物を用意する「Cタイプ」だと売り上げの54~74%にもなる。経営が成り立たないという声も多い。
また、東大阪南上小阪店の松本実敏オーナーも記者会見にオンライン参加した。松本オーナーは「客のクレームが多い」などの理由で昨年12月31日にフランチャイズ契約を解除され、今年2月12日からセブン本部を相手にオーナーとしての地位確認を求め、大阪地裁に提訴し闘っている。
松本オーナーは「自分はまだオーナーです。セブン―イレブンの契約解除は究極の『優越的地位の濫用』。コンビニは役員によって成り立っているのか、オーナーや働く者によって成り立っているのか、公取委はよく考えてほしい」「本部をつぶしたいわけではない。本部があまりにひどいから、より良いものをつくりたいという思いでやっている」と語った。
河野委員長は「公取委闘争は最終段階。公取委は『ほえる番犬』として排除措置命令をただちに出せ!」と公取委に強く求めた。
●利益確定のため本部が無断承認
今回、本部社員が強制・無断発注だけでなく「無断承認」を行っていたことが新たに暴露された。
発注を行った商品と実際に納品された商品の個数が食い違っていないかをチェックし、最終的にはオーナーやそれに準じる人が承認し確定させる「仕入総括表」について、その承認が遅れている店舗に本部社員が出向き、承認を無断送信していたのだ。明らかな優越的地位の濫用だ。
このように、本部が一刻も早く利益を確定させたいがために本部社員を出向かせて、詐欺まがいのやり方で勝手に確定させるということが10年以上前から横行しているという。
コンビニ関連ユニオンは本部の違法性を追及し、闘う決意を新たにしている。
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