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狭山闘争 今すぐ再審を決めろ 高裁デモ、3者協議を直撃

「石川一雄さんは無実だ!」。東京高裁に向けて怒りのシュプレヒコール(6月18日)

狭山事件担当の東京高裁・後藤眞理子裁判長の退官が1週間後に迫った6月18日、石川一雄さんの再審無罪実現への執念と訴えに応え、全国水平同盟と部落解放東日本共闘会議が呼びかけた東京高裁闘争が打ち抜かれた。大阪、広島、九州からも仲間が駆けつけた。午前・午後にわたる要請行動と街宣、デモは、この日行われた第43回3者協議を直撃する決定的な闘いとなった。
全国水平同盟を先頭に要請行動
埼玉県狭山市の被差別部落に生まれ育った石川一雄さんは、そのことを理由に1963年に市内で起きた女子高校生誘拐殺人事件の犯人にでっち上げられた。今なお「見えない手錠」をかけられたままだ。この部落差別、権力犯罪を許さない! 何としても後藤に下山鑑定を調べさせ、再審開始を決定させよう! 午前11時、全国水平同盟の本部と杉並、西郡、高槻、崇仁・東三条の各支部、動労千葉・動労水戸など東日本解放共闘、広島解放共闘が高裁に乗り込んだ。

要請行動と霞が関デモをはさむ昼の時間帯に大坂正明さんの無実を訴える街宣に全国水平同盟が合流しアピール(東京高裁前)

第3次再審請求から14年。要請団は、8人目の裁判長・後藤の就任後に提出された下山第2鑑定を武器に追及した。同鑑定はインクの元素分析で有罪証拠の「被害者の万年筆」が偽物だと証明した新証拠だ。「確定判決は崩れた。反証できない検察官に助け船を出すことなど許されない。先送りは犯罪だ」「判断せずに退官するなど再審棄却と同じだ。直ちに鑑定人尋問を行え」
部落差別への怒りがたたきつけられ、戦闘宣言が発せられた。「石川さんと同じ部落民だ。これは差別裁判だ」「部落差別をあおった西郡の地域つぶしを許さない。狭山と一体で闘う」
裁判官の職責も鮮明にさせた。「退官して逃げるのは許されない」「後進の裁判官にあるべき姿を見せろ」
対応した訟廷管理官は圧倒され口を挟むこともできない。要請団は最後に、当日中に要請文を後藤に渡すよう念押しし、「何度でも来る」と通告。並行して裁判所前でアピール行動をやり抜いた仲間と合流した。

要請行動後、東京高裁に向け有罪証拠の万年筆が偽物だと暴いた下山鑑定で再審開始を決定しろと声を張り上げた

差別に怒り、団結と連帯で勝利を
午後1時、東京高裁包囲・霞が関デモに出発。「石川一雄さんは無実だ! 狭山差別裁判糾弾! 東京高裁は再審を行え!」「星野文昭さん、大坂正明さんは無実だ! 星野国賠に勝利するぞ!」。シュプレヒコールを響かせ進むデモに、道行く人や河井前法相逮捕に備え裁判所と検察庁の入り口各所に詰める報道陣が一斉に注目。作業中の労働者も目を凝らす。デモは、腐敗をきわめる安倍政権に怒る人々の心をしっかりと捉えた。
この日の東京高裁闘争は後藤裁判長に確実に突き刺さった。アメリカでの黒人男性虐殺に対する怒りが全世界を覆い、差別による分断を乗り越えて労働者が立ち上がっている。日本も同じだ。それを後藤が知らないはずはない。差別への怒りと労働者の団結、国際連帯こそ再審請求棄却を許さず下山鑑定を武器に再審無罪をかちとる力となる。
狭山闘争の重大局面で、勝利の鍵をつかむものとなった闘いを牽引(けんいん)した全国水平同盟は、7月19日に第9回大会を開催する。成功に向けて共に奮起しよう。

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