「天神峰やぐら裁判」で農地強奪判決の多見谷裁判長を弾劾
9月3日、千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)で天神峰やぐら裁判の弁論が開かれ、三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者、学生、市民が一体となって、7月29日に出された農地強奪判決への怒りを燃え立たせて闘いぬいた。
やぐら裁判は、天神峰・市東孝雄さんの農地裁判の明け渡し請求の中の看板、監視やぐらなど4つの物件が、反対同盟の所有であることを認めさせ、これらの撤去を阻むための闘いである。
午前10時30分の開廷を前に、多見谷に対して傍聴席から容赦なく激しい弾劾・抗議がたたきつけられた。「農民殺しの裁判長!」「農地強奪判決許さないぞ!」「歴史に汚名を残したな、多見谷!」
多見谷はおのれの罪業を自覚しつつ、表情を出すまいと努めているが、怒声の嵐を受けてあせりといらだちを抑えられずずに「静かに!」などと繰り返す。だがそう言われて静かにする人など誰もいない。成田空港会社(NAA)の代理人弁護士が姿を現すと怒りの声は一層高まった。
法廷がますます騒然とする中で開廷。NAA側は、7・29農地強奪判決そのものを「証拠」として提出した。この判決ではすでに、「反対同盟が建設して使用・占有していたとしても、市東さんは土地を現状に修復して明け渡す義務がある」という極悪の判断を下している。これが証拠だと!? なんという違法・デタラメなNAAと裁判所の癒着ぶりか。
顧問弁護団は、この日反対同盟がまいた「農民殺しの手先となった極悪裁判長・多見谷を許すな」とのビラを証拠として提出した。
葉山岳夫弁護士が立ち上がり「7・29判決について一言申し上げたい」と切り出した。「NAAの主張をうのみにしたあの判決は一体何か! 千葉地裁は今や“NAA付属裁判所”に成り下がった。恥を知れと言いたい!」
続いて弁護団が次々立って、農地裁判での多見谷の訴訟指揮と判決を根底から断罪した。これに堪えきれず多見谷は、「別件についての意見は認めない」などと叫び、「次回期日は11月19日」と一方的に言い放ち、弁護士の発言の途中で強引に閉廷を宣した。傍聴者の怒りは爆発し、裁判官にあるまじき醜態をさらす多見谷に怒りが集中した。
報告集会が弁護士会館において、伊藤信晴さんの司会で開かれた。最初に北原鉱治事務局長が、「この裁判も三里塚闘争勝利の突破口だ」と一同の奮起を促した。
続いて葉山弁護士が、「7・29判決は、NAAの主張をコピーペーストした上で、NAAの『一切の強制手段をとらない』との確約を、“話し合いが頓挫した時は破っていい”とするとんでもないものだ」と怒りをあらわに批判し、断固たる反撃に打って出ることを宣言した。さらに弁護団全員が発言に立ち、農地裁判控訴審と一体でやぐら裁判を全力で闘う決意を表した。
連帯発言は、動労千葉の後藤俊哉さん、関実に続いて、群馬・市東さんの農地を守る会の青柳晃玄さんが立ち、高崎市で開く9・29三里塚・反原発集会の成功へ向け奮闘中であることを報告した。
最後に萩原進事務局次長がまとめの発言を行った。「市東さんは“強制執行来るなら来い”という強い決意で立っている。これに応える闘いは一つは現地における態勢の強化だ。同時に空港周囲の地域の住民たちの怒りと結合し、彼らの決起を促し空港を包囲することだ。騒音被害、24時間空港化など、とんでもない事態になる。今までの不十分さへの反省を込めて、地元への働きかけを強めたい。10・20三里塚全国集会にはこれまで参加したことのない人たちをも含め、圧倒的な結集をかちとろう」。この熱い訴えに、一同は大きな拍手で応えた。(TN)
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