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12・27東京入管包囲デモ

今すぐ解放!外国人の命を守れ!

 12月27日、東京入管包囲デモが「外登法・入管法と民族差別を撃つ全国実行委員会」と東京労働組合交流センター、合同・一般労働組合全国協議会の3者共催で取り組まれた。さわやかな青空の下、80人がJR品川駅港南口から「入管法改悪反対!」「強制送還拒否罪を許さないぞ!」とシュプレヒコールを上げながら東京入管にデモ行進。港南大橋を渡ると行く手に東京入管の高層ビルが見える。コロナが猛威を振るう中、今なお仮放免を拒否されて長期収容され続けている外国人がいるのだ。彼らは直ちに解放されなければならない。28日が年内最後の面会日。年末年始は被収容者にとって家族や友人とも会えない過酷な日々だ。

 「すべての外国人を今すぐ解放しろ!」「人権侵害の長期収容をやめろ!」「命を守れ!」のシュプレヒコールに力が入る。東京入管のビルの7階以上にある収容施設の中から被収容者が「HELP US(私たちを助けて)!」と書いたシャツを掲げて手を振っている。デモ参加者が「一緒に闘うよ!」「生き抜こう!」と叫び、手を振る。「ありがとう!」の声がデモ隊に降り注いだ。

 デモ終了後、東京労組交流センターの小泉義秀事務局長が「菅政権は、来年の通常国会で入管法の改悪を狙っている。難民申請を2回までに制限し、刑事罰で強制送還しようというのだ。労働者の力で絶対に阻止しなければならない。国会闘争も呼びかける。ともに闘おう」と呼びかけた。

「3密」を絵に描いたような入管収容施設では、今年4月以降、コロナ対策として「仮放免」の運用が拡大され、3月31日時点で1104人だった全国の入管収容施設の被収容者は、4月30日に914人、8月11日に461人と激減した。夏には東京入管で被収容者がコロナウイルスに感染する事態が生じたが、にもかかわらず抜本的な対策も取られず、11月4日時点で全国の入管収容施設に433人の外国人が取り残されている。
東日本入国管理センター(牛久入管)では、10月1日時点で被収容者94人のうち6カ月以上の長期収容者が69人、その中には3年以上も22人、最長で7年にもなる人がいるという現状だ。なぜ仮放免が不許可になるのか理由も明らかにされないまま、いつまで続くのか先が見えない期限の定めもない長期収容!
ナチスの強制収容所を描いたV・E・フランクル著『夜と霧』でも、この「期限なき仮の状態」が被収容者を苦しめ、「内的な崩壊現象が生じる」と指摘されている。これが「刑務所よりひどい」と言われる日本の入管収容所の実態だ。
昨年、長期収容に抗議するハンガーストライキが全国に広がる中で、長崎県の大村入国管理センターでナイジェリア人が飢餓死するに至った。法務省は「収容・送還に関する専門部会」を設置したが、今年6月にまとめられた「提言」は、収容開始・継続における司法判断も、収容期間に上限を設けることも見送り、「退去強制拒否罪」「仮放免逃亡罪」など刑事罰による強権的な追い出しありきのものだった。
 菅政権は、この「提言」に基づき入管法改悪を行おうとしている。9月22日付の読売新聞は「滞留外国人 社会生活容認/入管施設 長期収容解消へ」と報じたが、就労も禁止、健康保険にも入れないままで、どんな「社会生活」があるというのか。入管収容施設から出ることができたとはいえ仮放免者たちは、このコロナ禍の中で住む所にも食べる物にも困窮する日々を送っている。
 11月7日付朝日新聞は、難民申請を2回程度に制限し「早期の送還を促す」(難民申請者を強制送還するのだ!)、「『監理人』として認めた支援団体や弁護士、知人のもとで生活できる監理措置を創設」と改悪案の概要を報じた。
この「監理措置」こそ絶対に阻止しなければならない。「監理人」を選別するのは入管庁であり、「監理人」の支援団体・支援者・弁護士なども入管庁に「監理」される。外国人の生活状況などの定期的な報告義務を負わされ、逃亡罪が創設されれば、「共謀」にさえ問われかねないのだ。これは、被収容者・仮放免者などをサポートし、共に闘う者たちを分断・対立させ、被収容者・仮放免者を孤立させようという卑劣な階級分断攻撃そのものだ。これを許して国際連帯など語れない。
2021年入管法改悪阻止に立とう!

 

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