上海TOTOで1000人の大ストライキ
5月6日より、上海の日系TOTO(トイレ用品などの陶器メーカー。中国での会社名は、「東陶華東有限公司」)で賃上げを要求して1000人を超えるの大ストライキが闘われ、9日まで4日間にわたってストライキが続き、日本人社長の辞任と賃上げ要求を認めさせる勝利をかちとった。
会社の発表した新たな賃金体系がこの工場の労働者への賃下げとされ、この賃下げへの怒りが、普段の工場の労働環境への怒りと重なってストライキとなって爆発した。TOTOは、労働者への徹底的な賃下げで利潤をむさぼる悪徳企業として中国では知られているという。
ストライキの間、労働者は工場にあるすべての監視カメラを破壊した。労働者は仕事中、常時監視されていたのだ。これはこの工場の労働者がいかに非人間的な労働環境に置かれ、労働者の怒りをかっていたかを示している。それに対する怒りがたたきつけられた。日本人の社長は労働者に徹底弾劾され、労働者の鉄拳を受け、辞任を突きつけられた。そして辞任に追い込まれた。
中国経済は金融恐慌の危機を深め、不動産価格の下落によるバブル崩壊、そして理財商品に基づくデフォルトなどが各地で発生しだしている。中国経済の行き詰りは、深まる世界恐慌の危機と相まって、企業を外資も含めて経営危機に陥らせている。この経営危機は、結局は労働者に賃下げやリストラという形で襲いかかってきており、賃下げは現在、中国で相次ぎますます増大するストライキの最大の要因になっている。今回のTOTOのストライキも、こうした中国の経済危機の反映であり、それに対する労働者階級の怒りの爆発である。
TOTOの労働者は、工場に中国国旗とともに揚げられていた「日の丸」を引き下ろした。さらにそれを焼却したとも言われている。このストライキは賃上げのみならず、現在の日本の安倍政権による戦争政策の展開に対する中国労働者階級の怒りの表明でもあったのだ。
30年以上にわたる中国スターリン主義の「改革・開放」政策の展開の中で、日本帝国主義は中国への経済侵略を進めたが、それは今や日帝の末期的な危機の中で安倍政権によって、本格的な戦争政策となって進んでいこうとしている。この日帝の新たな戦争政策に対する中国労働者階級の怒りが、今歴史的な爆発過程に突入したのだ。米帝と日帝による対中政策、戦争政策の激しい展開、争闘戦の激化に対抗して、一方で中国スターリン主義も積極的に戦争政策を推進している。労働者に祖国はない。まさに今求められているのは、国境を超えた日本の労働者階級と中国の労働者階級の階級的な団結の形成であり、その団結と闘いによって侵略戦争・世界戦争への道を断ち、日本帝国主義と中国スターリン主義をともに打倒することである。
昨年11月3日の全国労働者総決起集会で決議された「憲法改悪反対労組声明」は全世界で労働者の間で読まれ広まり、大きな反響を読んでいる。帝国主義とスターリン主義による新自由主義と戦争の労働者階級への攻撃に対して、労働者の国際連帯闘争が画期的な高揚過程に入ろうとしているのだ。中国の労働者とも今こそ階級的な連帯をつくりだし発展させよう! その鍵は「外注化」と「非正規職化」に反対する闘い、新自由主義との対決であり、その核心としての国鉄決戦の爆発である。
中国の労働者との連帯をもかけて、6.8国鉄集会の大結集をかちとろう!(K)
*写真は、上から2枚がストライキを闘う上海TOTOの労働者たち。最後の一枚が引き下ろされた日の丸
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