天神峰やぐら裁判、早期結審策動を打ち破る
5月27日、千葉地裁民事第3部(廣谷章雄裁判長)で、天神峰やぐら裁判の口頭弁論が開かれた。
この裁判は、市東孝雄さんの農地裁判(現在東京高裁で控訴審)において、成田空港会社(NAA)が市東さんに明け渡しを求めている物件のうち、天神峰の監視やぐら、看板など4つの工作物が、市東さん個人の所有物ではなく三里塚芝山連合空港反対同盟の所有であることを認めさせて、強制撤去を阻止するためのものだ。したがって農地裁判控訴審の行方をも左右する重大な闘いである。
このやぐら裁判でこれまでNAAは、前任の千葉地裁・多見谷寿郎裁判長(農地裁判で反動判決を下した張本人)からそそのかされながら、「所有権の確認判決を求める利益はない」とか「執行の段階で異議を申し出ればいい」などと主張してきた。
許しがたい言動だ! これまで三里塚では一体どれだけデタラメで暴力的な不意打ち、闇討ちが当たり前のように、撤去、破壊、封鎖などの強制執行が行われてきたか。2011年8月6日に行われた現闘本部破壊はその典型だ。駆けつけた反対同盟、弁護士、支援の人びとが抗議をしても一切耳を貸さず、執行官が現れることもなく、警察=国家暴力を使って強行した。「執行の現場で異議を申し出たらいい」とは、「抵抗してもむだだ。おとなしく執行を食らえ」という言い草と大差ない。絶対に受け入れられない。
反対同盟顧問弁護団は今回,準備書面7を提出し、NAAの「執行段階で異議を申し立てを」などという主張を、法律論的に徹底的に批判しつくした。また、監視やぐらと看板の建設にかかった費用を算出して提出し、さらに北原鉱治事務局長を証人として申請し、「所有権をうやむやにしたまま強制執行に持ち込むことなど許さない」という強固な意志をたたきつけた。
裁判長は反対同盟側の気迫に圧倒され、NAA側に認否反論を行うよう促した。請求却下=門前払いの判決が早々に出されることだけを期待していたNAA側の代理人弁護士は、終始意気消沈したままだった。次回期日を9月2日として閉廷。
千葉県弁護士会館で、伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれた。
最初に葉山岳夫弁護士が発言に立ち、「今日の法廷は何事もなく終わったようだが、実は弁護団として満を持して臨んだ。多見谷裁判長の段階では、人証申請を却下して結審することを明らかに狙っていたが、その流れを押し返した」と闘いの手応えを語った。さらに弁護団全員が発言して争点を解説し、さらにマスコミ記者、参加者との質疑応答を行って、「静かな法廷」での早期結審策動を打ち破った熱い攻防が浮き彫りにされた。
最後に参加者一同で6・25市東さん農地裁判控訴審第2回弁論への大結集を確認して集会を締めくくった。
午後から反対同盟と支援連は3万人署名街宣を千葉市富士見町で行い、「農地取り上げ反対」を労働者・市民に訴えた。(TN)
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