三里塚反対同盟が最高裁に市東さんの農地取り上げ反対署名第2次署名提出行動
5月18日、三里塚芝山連合空港反対同盟は、最高裁への「市東さんの農地取り上げ反対緊急5万人署名」の第2次提出行動に立ち上がった。
強い日差しが照りつける中、午後2時に永田町の最高裁判所西門前に反対同盟と支援の労働者・学生・市民が陣取り、「最高裁第3小法廷・大谷剛彦裁判長、日置朋弘調査官は高裁判決を破棄せよ」と書かれた横断幕が広げられた。
門前でのアピールの最初に伊藤信晴さんがマイクを握り、国と成田空港会社(NAA)が市東孝雄さんに対し「騒音を受忍せよ」などと攻撃を強めていることを弾劾した。続いて葉山岳夫弁護士が、農地法裁判の経過を述べ、一審千葉地裁、二審東京高裁の不当判決を全面的に批判した。
動労千葉争議団の中村仁さんは、「私たちも最高裁にJRの不当労働行為を認めさせた。市東さんの耕す権利を絶対に認めさせるために労農連帯で闘おう」と訴えた。
さらに、市東さんの農地取り上げに反対する会、婦人民主クラブ全国協議会の発言を受け、2時30分、分厚い署名の合冊を携えた市東さんを先頭に十数人が裁判所構内に入った。今回の第2次提出分は7066筆で、第1次分と合わせて1万8192筆。対応に現れた書記官に手渡した。
萩原富夫さんが反対同盟の申入書を読み上げた。「成田空港拡張のための市東孝雄さんの農地〈強制収用〉に反対する署名が全国から続々と寄せられています」「最高裁第3小法廷は、耕す権利を否定し、戦争につながる農地取り上げ判決を破棄するよう強く申し入れます」
弁護団は、NAAが耕作者である市東家に無断で地主から農地を買収して、市東さんに明け渡しを迫り、千葉地裁、東京高裁がそれを認めるというこの裁判の違法性・違憲性を強調した。
さらに参加者が次々と訴えた。伊藤さんは成田空港が第3滑走路計画を進め、軍事空港としての機能強化を目指していることを批判した。太郎良陽一さんは「私もかつて木の根に住んでいて強制執行でたたき出された。権力の横暴を見過ごし認めるのが裁判所か」と弾劾した。宮本麻子さんは「市東さんは有機農業を続け、曲がったことは何もしていない。耕す者の権利を否定する判決を出さないでほしい」と訴えた。杉並で産直運動を続けてきた〈ふろむあす〉事務局も、市東さんから農業を奪わないよう迫った。
30分にわたる要請行動を終えて、全員が再び門前に集まり、萩原富夫さんがマイクを握った。「憲法も農地法も踏みにじる農地取り上げを最高裁は認めるのか! 三里塚闘争50年、私の代で3代目だ。強制代執行などの国家暴力に対して実力で闘いぬいてきた。市東さんの農地を奪うというなら、私たちは再び体を張って闘いに立つ。沖縄・辺野古と連帯し、高裁の農地取り上げ判決を絶対に破棄に追い込もう!」と反対同盟の決意を表明した。
最後に全員で力強く最高裁に向けてシュプレヒコールをたたきつけ、何度でもここに駆けつけて闘うことを誓い合った。(TN)
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