三里塚第122回一斉行動―新署名を携え住民と交流
三里塚芝山連合空港反対同盟と支援連絡会議の仲間は9月17日、122回目の空港周辺情宣一斉行動に立ち上がった。午前8時半、成田市天神峰の市東孝雄さん宅前の団結街道奥で朝の打ち合わせを行った。冒頭、東峰の萩原富夫さんが、「前回の行動から始めた新署名と10・8全国集会への参加を全力で周辺住民に訴えよう」とあいさつした。
続いて、芝山町白枡の伊藤信晴さんが周辺住民の声を紹介した。「先日の台風の影響でわずかな時間で高谷川が増水し、渡れるところがなくなった。空港拡張工事で被害がもっと拡大するのではないか。反対同盟のがんばりに期待している」
最後に、市東さんがユニットハウス設置への協力のお礼を述べ、「畑の方は天候との勝負」と、より一層営農に励む決意を語った。
今回用意された反対同盟ニュース第117号は、10・8全国集会への結集を訴える内容だ。2面では、政府が「公共インフラ整備計画」原案を提出し、「台湾有事」に備えた空港の整備・拡充を指示したことを暴露・弾劾。戦争のための成田拡張、市東さんの農地取り上げを許さず共に闘おうと呼びかけている。3面は、原発放射能汚染水の海洋放出弾劾の東京電力千葉支社前での抗議行動の記事と空港拡張反対署名への協力のお願いだ。
一同、反対同盟ニュースを手に担当地域へと飛び出した。
この日は天気が良く、サツマイモの収穫、大根の種まきなど畑で作業している農家が多かった。また、工事は休みだったが圏央道の建設がかなり進んでいることを実感した。
婦人行動隊の宮本麻子さんは120軒を超えるお宅をまわった。訪問する度に開拓の苦労話を聞かせてくれて3年前に亡くなっていたおじいさんのお連れ合いは、「あなたたちも大変だね」とねぎらいの言葉をかけてくれ、新署名に応じた。また、井戸端会議をしていた60〜80代のご婦人方は、「成田に行くバスが朝の1本しかなく不便でしょうがない。空港の拡張よりも公共交通機関を何とかしてほしい」と、反対同盟の闘いに共感を示した。
また他の地区の住民は「空港拡張はダメ」ときっぱりと表明。この住民は当初、「空港につとめているから」とビラの受け取りをためらっていたが、「空港の中で働いている人を敵だとは思っていない。事故などの安全問題、労働環境について心配している」と話すと、その後はニュースを快く受け取り、雑談など話に花が咲くほどの仲に。
田畑の移転先が見つからず移転地が決まらない住民や空港北側で滑走路の同時使用で激しい騒音にさらされている住民は成田空港会社(NAA)の対応のひどさについて口々に語ってくれた。
また、最近一斉行動に参加した仲間を覚えてくれ「暑い中、歩きで大変だね」と向こうから労をねぎらってくれる住民もあった。
夕方、新しく設置されたユニットハウス内で集約をし、一日の行動を終えた。
(N)
スケジュール
◎10・8全国総決起集会 10月8日(日)正午 成田市赤坂公園(成田ニュータウン内)
主催/三里塚芝山連合空港反対同盟
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